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今井正人さん“魂の指導” 南相馬の中高生と「故郷再生」
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激しい雨の中、中高生とトラックを走り、後輩たちにアドバイスする今井さん(左)。手前右は佐藤さん
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原発事故に伴い1年3カ月遅れで今月再オープンした南相馬市の雲雀ケ原陸上競技場。7日、同競技場で記念イベントが行われ、同市出身のランナー今井正人さん(28)=原町高卒、トヨタ自動車九州=と、原町一小卒の北京五輪男子マラソン代表佐藤敦之さん(34)=会津高卒、中国電力=が参加、相双地域の中高生約120人を指導した。復興に向けた取り組みが少しずつ動きだした中、相双の陸上拠点として再生した同競技場に、ゆかりのトップランナーと復興を担う若者の勇姿が戻った。
今井さんの実家は原発事故で立ち入りが制限された警戒区域の同市小高区(4月に区域解除)。津波で家屋の骨組みだけとなり、両親は茨城県に避難中。今井さんはこれまでロンドン五輪挑戦を続けたため7日が震災後初の帰郷となった。「自分には走ることしかできないが、(後輩には)相双地域から全国にエネルギーを発信するような走りを見せてほしい」と話す今井さん。中高生たちとトラックを走りながら時折“後輩”たちの背中に手を添え励ました。
指導を終えた今井さんは「競技に真剣に取り組む学生の目に触発された。自身も初心に帰ることができた」と後輩からエネルギーをもらったよう。「自分もここから再スタートしたい」と静かに「再生」への決意を話した。
佐藤さんは5月に活動拠点を本県に移したばかり。「ずっと南相馬の力になりたかった。人には言えないつらいことがあったと思うが、そのつらさを乗り越え世界に通用する選手に成長してほしい」と激しい雨の中、生徒たちを引っ張るようにトラックを走った。
(2012年7月8日 福島を走る・福島民友ニュース)
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