元球児が見た聖光学院野球部の強さ!田口さん著書・負けてみろ

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書店に並ぶ著書「負けてみろ」=福島市・岩瀬書店八木田店

 「信じた道を突き進めばいくらでも勝負できる」。福島市出身のスポーツライター田口元義さん(41)が聖光学院高野球部の強さに迫った初の著書「負けてみろ」が、重版が決まるなど話題を集めている。野球部に所属していた高校時代に、公式戦の出場がかなわなかった田口さん。それでも野球への強い思いで、ついに表舞台に立った。

 1995(平成7)年、夏の全国高校野球選手権福島大会準決勝。当時福島商高3年だった田口さんは、開成山球場(現・ヨーク開成山スタジアム)の応援スタンドで高校最後の試合を終えた。レギュラー争いから脱落し、気付けば後輩の指導役など裏方として過ごした野球人生。涙を流す同級生や後輩を見ても泣けなかった。「出てる選手と同じ悔しさすら持てなかった」

 ただ野球が好きなのは、選手たちと同じだった。卒業後に一度は埼玉県の一般企業に就職したが、野球への思いを捨てきれずに退職。専門学校で編集を学び、ライターとして働き始めた。

 編集アシスタント時代は原稿を書いても上司に何度も書き直しを命じられ、罵倒を受ける日々。布団にくるまり朝が来ないことを願うこともあったという。そんな日々を乗り越えると周囲から認められ始め、2003年に都内を拠点に野球を取材するフリーライターとして独り立ちした。

 プロ球団の原稿がスポーツ雑誌に掲載されるなど仕事の幅を広げていく中、高校時代の同級生が聖光学院高野球部のコーチに就いたと聞かされ、07年に初めて練習グラウンドを訪問。そこには、全身全霊を懸けて野球に打ち込み、本気でぶつかり合う高校球児と指導者の姿があった。「人間力という言葉でも片付けられない泥くささ。このチームが突き詰めているものを書きたいと思った」

 それからは時間を見つけては同校に通い詰め、斎藤智也監督や横山博英部長、選手らを取材。出版社に企画を持ち込み、構想から5年がかりで一つの本にまとめた。

 タイトル「負けてみろ」は同校が昨年の全国高校野球選手権福島大会を戦う中、斎藤監督がミーティングで選手たちに発した言葉。「勝ち続けるチームだからこそ『負けてみろ』という言葉に重みを感じた」と明かす田口さん。「やっと本を出せたと思うと同時に、自分はもっと書けるという可能性も与えてもらった」。これからも、自分なりの野球人生を歩んでいく。

 秀和システムから出版、四六判352ページ。価格は1600円(税別)。県内では岩瀬書店など各書店で取り扱っている。

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