【聖光学院10連覇・悲願頂点挑む夏(中)】 仲間に刺激『鈴木復活』

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苦しみ、大きく成長した聖光学院のエース鈴木拓人

 優勝を決めダイヤモンドで歓喜に湧くナイン。その中心には不調を乗り越え、一回り成長したエース鈴木拓人(3年)の姿があった。

 春の県大会で敗れた準決勝磐城戦。3回途中から登板した鈴木は5失点を喫した。東北大会の花巻東(岩手)戦では終盤につかまり敗戦。鈴木は「自分が投げて勝てないということは何かが足りないということ」と唇をかんだ。

 そんな中で夏の福島大会開幕が直前に迫った7月3日、転機が訪れた。ベンチを外れた3年生による引退試合。グラウンドには必死でプレーする仲間の姿があった。「情けない姿は見せられないと思った」。3回戦で完封勝ちを収めた後、そう話した鈴木の表情には確固たる決意があった。

 苦しんできた鈴木の姿は野手の心も動かした。準決勝、決勝で殊勲打を放った磯辺伶也(3年)は「拓人を男にしようと、みんなで話していた」と振り返った。130人を超える部員の思いを背負ったエースを勝たせたい気持ちも、チームを一つにする要因となった。

 甲子園出場を決め「より厳しいマウンドになる。覚悟を持って上がりたい」と鈴木。下をうつむいていたエースの姿はもうない。