名将の奇襲ズバリ!聖光8強 『秘密兵器・鈴木』気迫の直球勝負

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【東邦-聖光学院】初登板で勝利し、2年ぶり4度目の準々決勝進出を決め喜ぶ鈴木駿=甲子園球場

 力のある相手を奇襲で一蹴した。17日に甲子園球場で行われた全国高校野球選手権3回戦。聖光学院はこれまでとは戦術を大きく変え、優勝候補との大一番をものにした。「挑戦者魂に火がついた」。捨て身になった聖光ナインが甲子園で底力を発揮した。

 3回戦の相手が東邦(愛知)に決まった時から、ナインは腹を据えた。「優勝候補の一角を倒す」。挑戦者として試合に臨むことを確認し、チームの士気は高まっていた。

 一方で、斎藤智也監督は「まともに戦っては分が悪い」と踏んでいた。勝負に出る覚悟で出場メンバーを決定。先発マウンドを託したのは、今夏一度も登板がなかった鈴木駿輔(3年)だった。

 もともと球威のある野手兼任投手だったが、けがもあって野手に専念。8月に大阪入りしてから、自ら志願して投球を再開した。「相手によく知られていない。勢いで打者2巡くらいまで投げられれば、勝機はある」。斎藤監督の決断が功を奏した。

 鈴木駿は気迫のピッチングを展開。直球で押し、好投を続けた。終盤は疲れから制球を乱す場面もあったが「打者にぶつかっていく気持ち」で最後まで投げ抜いた。

 今夏初先発の鈴木駿をもり立てようと、先制するための「布石」が打たれた。相手エースが左打者に対し制球を乱す傾向があると分析し、俊足の左打者を上位打線で起用した。

 プロも注目する相手エースが左打者に投げにくそうにする中、攻撃陣は隙のない走塁やバントなど「聖光らしい」野球で得点を重ねた。「奇襲作戦に応えてくれた。頼もしくなった」。斎藤監督の表情が緩んだ。

 挑戦者としての覚悟を持ち、したたかさも備えた聖光ナイン。18日、先輩たちが越えられなかったベスト8の壁に挑む。