聖光学院・佐藤駿が思い刻む一打 『無我夢中』守備でもみせた

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
1回裏聖光学院2死一、二塁、佐藤駿が右前適時打を放つ=甲子園球場

 「結果は天に預けよう」。聖光学院の佐藤駿矢(3年)は覚悟を決めて打席に臨んだ。初回、先制してなお2死一、二塁の好機、振り抜いた打球は一、二塁間を抜けた。憧れの舞台での初安打、初打点だった。

 小学生の時から夢見てきた聖地甲子園。福島大会で優勝し、出場を決めた時には興奮が最高潮に達した。しかし、初めてグラウンドで戦った初戦の後、佐藤は「残酷な場所だ」と感じたという。

 自分たちは福島大会で敗れた全ての学校の思いを背負って戦う。だから、自分たちが負けるということは「福島の夏が終わるということ」。そのことに気付き、甲子園に立つことの重圧とはかなさを思い知った。

 そんな聖地での2度目の先発出場。初戦ではできなかった思い切ったプレーを心掛けた。初回の適時打は「何を打ったか覚えていない」くらい無我夢中だった。5回には右翼に飛んだ鋭い打球をダイビングキャッチし、球場を沸かせた。

 夢のさらに先にあった日本一の目標はかなわなかった。「最後の最後に自分たちの野球ができなかった」という気持ちはあるが、やれるだけのことはやった。「悔いはない」。佐藤は晴れ晴れと、憧れの地に別れを告げた。