聖光学院が怒濤の攻め 5番・須田、昨年の雪辱...好投手を攻略
福島市のあづま球場で17日に行われた第70回秋季東北地区高校野球大会第4日の準決勝。本県第1代表の聖光学院は能代松陽(秋田第1代表)を16―2で下し、決勝進出を決めた。
5年ぶりのセンバツ出場は怒濤(どとう)の攻撃で引き寄せた。聖光学院はコールド勝利の2回戦、準々決勝に続き打線が爆発。初回、先制の2点適時打で打線に火を付けた5番須田優真(2年)は「やるべきことができている」と胸を張った。
先発した能代松陽の左腕佐藤開陸(同)とは昨年も対戦し、須田は無安打に抑えられていた。
鋭いスライダーと直球を武器に今大会"ナンバー1"とも評された好投手を相手に、須田は「打てないなりにも向かっていこう」と開き直った。
初回は4番五味卓馬(同)が四球を選び、1死満塁で打席が回った。制球に苦しむ佐藤を前に、須田は浮いた球に狙いを絞ると、内角に入ってきた直球を逃さず、中前にはじき返した。
その後も須田のバットは快音を響かせ、試合が終わってみれば6打数4安打。センバツ出場を懸けた大事な一戦で、見事に雪辱を果たした。
昨秋も主軸を任されたが、度重なるけがに苦しんた。右肘を疲労骨折して2度の手術。そして今夏の福島大会直前には紅白戦で左膝前十字靱帯(じんたい)を損傷。プレーできない苦しい日々が長く続いた。
しかし、今ではけがの経験が「プラスになったんじゃないか」と思う。「野球ができる喜び」をかみ締め、迷いなくプレーできるようになったと感じている。
センバツの切符はほぼ手中にしたが、須田は「ずっと明治神宮大会出場を目指してきた」と繰り返した。先輩たちがたどり着けなかった舞台へ。喜びに浸るのではなく、決勝での勝利だけを見据えている。
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