聖光学院、地力磨き東北一へ 圧倒的強さでセンバツ出場を確実

 
【能代松陽-聖光学院】能代松陽に勝利し決勝進出を決め、ハイタッチを交わす上石〈11〉と大松将吾(左)のバッテリー=あづま球場

 17日に行われた第70回秋季東北地区高校野球大会準決勝で勝利し、センバツ出場を確実とした聖光学院。準決勝までの3試合で38得点2失点と、他を寄せ付けない圧倒的な強さで決勝まで駒を進めた。ただ、"日本一"へのこだわりを持つ選手たちは、ここを通過点とし、さらなる高みを目指す。

 「想像を絶する試合運び」。数々の激戦で指揮を執ってきた斎藤智也監督がそう評価するほどの強さだ。初戦の2回戦(仙台南・宮城第3代表)は7―0、準々決勝(利府・宮城第2代表)は15―0で、いずれもコールド勝ち。準決勝の能代松陽(秋田第1代表)戦は、17安打16得点で快勝した。東北の強豪校が集まる大会で、存在感を際立たせている。

 快進撃を続ける聖光学院だが、現チームメンバーは昨年、練習試合で利府や能代松陽を含め、東北地区のライバル校にことごとく敗れていた。2年生となった今春も練習試合で打線がつながらない、点を挙げても投手が踏ん張れないなど、「聖光学院」の看板が期待させる強さは影を潜めた。当時チームを率いていた横山博英部長は「何でこんなに勝てないんだと思うくらいだった。資質は十分あったが試合で本来の力を出せなかった」と振り返る。

 投手陣の奮起が、チームを強くした。右肘のけがから復帰した衛藤慎也(2年)が、エース格まで急成長。春まで根気強く投げてきた高坂右京(同)、上石智也(同)らも地力が付いて失点が減った。元々あった打力は、点の取り合いとなる打撃戦を重ねてきたことで、相手投手への対応力が一層磨かれた。

 東北大会準決勝では、昨年の対戦でまったく打てなかった能代松陽のエース佐藤開陸(同)の切れ味鋭いスライダーを初回から捉えた。主将の矢吹栄希(同)はチームの攻撃を「ボールになる低めのスライダーを見切れたことで甘く浮いた時に打てた」と分析。先発メンバーは全員安打を演じ、相手投手を攻略できる打撃力を証明した。  歴代最強打線の呼び声も高い新生聖光学院ナイン。日本一への足掛かりとして、まずは東北の頂に立つ。

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