久保倉「いろんな人の夢背負う」 女王復活!3度目の五輪へ
リオデジャネイロ五輪での活躍が期待された県勢2選手の明暗がくっきりと分かれた。名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで26日に行われた陸上の日本選手権最終日。ともに参加標準記録を突破していた女子400メートル障害の久保倉里美選手(34)=新潟アルビレックスRC、福島大卒=は9度目の優勝で3大会連続の五輪出場を決め、男子三段跳びの山下航平選手(21)=筑波大4年、橘高卒=は痛恨のミスで夢舞台が遠のいた。
「昨年があったからこそ今がある。これまで苦しんだ分を五輪にぶつけたい」。女子400メートル障害で女王の座に返り咲いた久保倉選手は右脚のけがに悩まされた昨シーズンの経験を脳裏に浮かべ、3度目の挑戦に向けて決意を新たにした。
昨年の日本選手権は大会直前までスパイクを履くことさえままならず、9連覇の偉業を逃した。今年4月に34歳を迎え、「回復するのに時間がかかるようになった」と体の変化も実感している。
それでも、ここ一番で類いまれな勝負強さを発揮してきた日本記録保持者は五輪に照準を合わせ、厳しい練習を重ねてきた。
「優勝が当たり前のレベルでなければ、世界では通用しない」。強い覚悟を胸に臨んだ決勝。「前半がゆっくり過ぎて後半に余力が残ってしまい、もったいなかった」と56秒62のタイムに反省点を挙げたが、予選で課題としていたピッチを上げ、軽快な走りで修正能力の高さをうかがわせた。
「3回目の五輪はいろんな人の夢を背負っている感じがする」と久保倉選手。福島大に入学してから指導を仰いできた川本和久監督らの名前を挙げ、「お世話になった人たちに恩返しがしたい」と言葉を紡いだ。
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