親子2代で大舞台へ 男子三段跳び・山下航平選手、リオ五輪代表
「親子2代で五輪出場を」。一度は遠のいた夢が現実になった。日本陸上競技連盟が13日発表したリオデジャネイロ五輪の追加代表に選ばれ、大舞台の切符を手にした男子三段跳びの山下航平選手(21)=筑波大4年、橘高卒=は、吉報に「ほっとした。まずは自己ベスト16メートル85の更新を目指したい」と気持ちを引き締めた。
「いろいろな人のおかげで巡ってきたチャンスを大切にしたい」。滑り込みで代表入りした山下選手の言葉には、周囲への感謝がにじんだ。
5月に五輪参加標準記録を突破し急成長を遂げているが、初めて挑んだ6月の日本選手権で悪夢を見た。それでも、五輪の夢を諦めきれず、今月10日の南部記念で代表に決まっていたライバルを抑えて優勝。追加選出の可能性を残した。
「4年後の東京五輪を見据えた選考でもあると思うので、しっかり経験を積んでほしい」。同種目の日本記録保持者でソウル、バルセロナ両五輪に出場した父訓史さん(53)=橘高教=は五輪での奮起を期待する。弟潤さん(筑波大1年、福島高卒)も短距離種目で頭角を現している。山下選手は兄弟で切磋琢磨(せっさたくま)しながら父の背中を追い続け、目標を実現させた。
五輪は自身にとって初の国際大会。「分からないことばかりだが、やることは変わらない」。日の丸を背負う21歳のホープが、世界へと羽ばたく。
本県陸上の起爆剤に
県内の関係者からは山下選手の五輪出場に向け期待の声が上がった。福島陸上競技協会の鈴木浩一会長(64)は「リオでもやってくれると思う。本県陸上界の起爆剤になってほしい」と話した。「将来性が評価された。しっかり経験を積んでほしい」。前福島陸協会長の片平俊夫さん(72)も安堵(あんど)の表情。内堀雅雄知事は「メダル獲得とお父さんの日本記録更新を目指し、活躍することを願います」とのコメントを発表した。
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