フェンシング・橋本監督に聞く 「指導者の原点は福島にある」
フェンシングの日本勢はメダル獲得を逃したが、男女エペに出場した2選手が入賞を果たした。チームを率いた橋本寛監督(51)=ネクサス、元川俣高教=に、今大会の感想などを聞いた。
―競技を振り返って。
「女子エペで8位入賞となり、非常にいいスタートを切ったが、メダルを期待していた世界ランク2位の太田雄貴(森永製菓)の初戦敗退で選手に動揺が走った。それでも、太田が献身的に選手をサポートしてくれたおかげでチームが一つにまとまった。男子エペの6位入賞にもつながった」
―第一人者の太田が現役引退を表明した。
「ミックスゾーン(取材エリア)で報道陣に引退表明した後、本人から私にも報告があった。何も聞いていなかったので驚いたが、すっきりした表情をしていて『長い間お疲れさま』と声を掛けた。太田の功績は大きく、ジュニア世代の男子フルーレは個人、団体ともに世界一となっている。(太田に続く)つぼみが膨らんでおり、東京大会で花開いてほしい」
―選手で出場した1992(平成4)年バルセロナ大会以来の五輪だった。
「監督としても予想以上のプレッシャーがあった。やはり五輪は世界最高峰の舞台。トップ選手の真剣勝負は、言葉では表せない魅力が詰まっている」
―県立高教諭として計15年間、本県の生徒を指導した。県民にメッセージを。
「指導者としての原点は福島にある。高校も五輪代表も、選手主体の意識は変わらなかった。出国前には、かつて勤務し、今は自分の教え子が指導している川俣高の生徒が全国高校総体で3位入賞したと聞き、うれしかった。福島を離れる時は後ろ髪を引かれる思いだったが、たくさんの声援をいただき、ささやかな恩返しができたと思う」
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