特別な日「使命感じる」 今井正人が世界陸上マラソン代表

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特別な日「使命感じる」 今井正人が世界陸上マラソン代表

世界選手権マラソン代表に選ばれ、記者会見で意欲を語る今井選手=11日、東京・新宿区のホテル

 日本陸連は11日、世界選手権(8月・北京)マラソン代表として計6人を発表し、男子は東京マラソンで日本勢最高の7位に入った南相馬市小高区出身の今井正人選手(30)=トヨタ自動車九州、原町高卒=が入った。震災から丸4年という節目の日につかんだ世界選手権マラソン代表の切符。初選出の今井選手にとって、「3月11日」は生涯忘れることができない特別な日となった。

 「3月11日はずっと意識してきた重要な日。このタイミングで発表を頂き、使命を感じている」。都内で開かれた記者会見で、今井選手は被災した古里と、これまで苦しんできた自身の境遇を重ねた。

 順天堂大時代、箱根駅伝に4度出場した。2005(平成17)年からは3年連続で山上り5区の区間賞を獲得。「山の神」と称され、将来を嘱望された。だが、マラソンでは失敗の連続だった。10度目の挑戦となった2月の東京マラソンでようやく日本人歴代6位の2時間7分39秒を出し、才能を開花させた。

 震災では小高区の自宅が津波にのまれ、トロフィーや写真などの記念品を失った。昨年8月に更地となった自宅を訪れ、「寂しい気持ちになった」と振り返る。原発事故の影響もあり、両親は今も茨城県で避難生活を送る。今井選手は「地元の多くの人たちに支えられてきたことをかみしめている」と感謝を口にする。

 午後1時30分から始まった記者会見。今井選手は震災発生時刻が迫ると、何度も腕時計に視線を向けた。古里を気遣う気持ちが表れた場面だった。「福島や東北では、まだまだ苦しんでいる人も多い。少しでも前向きになってもらえるような結果を残したい」。言葉に強い覚悟がにじんだ。

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