「新・山の神」柏原竜二選手が引退 箱根駅伝後けがに苦しむ

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第88回箱根駅伝で、往路5区を区間新でゴールする柏原=2012年1月、神奈川県箱根町

 東洋大時代に箱根駅伝の山上り区間5区で4年連続区間賞を獲得し「新・山の神」として注目された陸上男子長距離の柏原竜二選手(27)=いわき総合高卒=が現役を引退した。所属する富士通が3日、発表した。

 2012(平成24)年に富士通入社。13年に全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)6区で区間4位、同年の青梅マラソン30キロの部で3位に入ったが、その後は足首など相次ぐ故障に苦しんだ。 引退後も退社はせず、同社のスポーツ部や社会貢献活動に携わる。

 柏原選手は同社陸上競技部の公式ブログに「リハビリや治療に専念してきたが回復の見込みがなく、競技の一線を退くことにした。多くの人に支えられてきた。感謝の言葉を伝えたい」と心境をつづった。柏原選手は12年に第22回みんゆう県民大賞スポーツ賞を受賞している。

 県内関係者から「引退」惜しむ声

 無名の高校時代を過ごしながら、箱根駅伝の4年連続区間賞で一躍トップランナーとなった柏原竜二の引退が公表された3日、ファンや県内の関係者からは引退を惜しむ声が上がった。

 東洋大1年で初めて出場した箱根駅伝。5区の峠道を力強く駆け上がる衝撃の走りは全国の目をくぎ付けにし、同じく本県出身で初代「山の神」と呼ばれた今井正人(33)=トヨタ自動車九州、原町高卒=が持つ5区の区間記録を塗り替えた。大学時代の4年間5区を走り、区間新を計3度記録した。普段からアニメ好きを公言、これまで陸上に興味のなかった新たなファン層も開拓したが、大学卒業後はけがに苦しんだ。

 世界での活躍に期待を寄せていた福島陸上競技協会の鈴木浩一会長は「本人が悩んで決めたこと。一番悔しいのは本人のはず」と早過ぎる引退を気遣う。

 いわき総合高時代の恩師佐藤修一さん(40)=田村高教諭、同校陸上部監督=は3月上旬、本人からの電話で引退を伝えられた。「重圧やストレスもあったと思うが、多くの期待を背によく走った。また陸上界で出会えることを楽しみにしている」と、責任感が強く真面目な教え子をたたえた。息子の走る姿を応援し見守ってきたいわき市の母次枝さん(59)は「今までよく頑張り、ほっとしている。本人が決めたことなので、まずは体調を整えてほしい」とわが子を気遣った。

 柏原は引退の心境をつづった富士通陸上競技部の公式ブログで「家族や高校の恩師、福島県で陸上競技を指導されている先生方、そして大学の仲間がいたから今までくじけずに競技を続けられた。本当にありがとうございました」と感謝の言葉をつづった。

 箱根の峠を風のように駆け抜けた「山の神」が競技人生に幕を下ろした

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