【特集】狙え!リオ五輪の"主役" 福島県勢選手、出場枠の獲得狙う

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21歳で日本のエースに上り詰めた桃田。「リオで金メダルを取る」と新たな目標を口にする

 4年に1度の熱い戦いがやってくる。初めて南米が舞台となるリオデジャネイロ夏季五輪が8月5日、同パラリンピックが9月7日に開幕する。国内で出場権争いが激しさを増す中、バドミントンやトライアスロン、サッカーなどの各種競技・種目で、県勢選手が限られた出場枠の獲得を狙う。

 【バドミントン】桃田賢斗(富岡高卒) 「金」視線の先に

 バドミントンの世界ランキングで日本人男子トップの5位で臨んだ昨年12月の全日本総合選手権。初優勝を飾り名実ともに日本のエースに上り詰めたNTT東日本の桃田賢斗(21)=富岡高卒=は、勢いそのままに臨んだ世界連盟スーパー・ファイナルの男子シングルスで日本勢初優勝を飾り、世界にその名をとどろかせた。「リオで金メダルを取る」と新たな目標を口にする。

 「東京五輪でのメダルを目標にしていたが、リオでもメダルを期待できるまでに成長した」と、日本代表コーチ舛田圭太さん(36)も目を見張る。2014(平成26)年の全日本総合選手権で準優勝に終わった。「負けず嫌いの性格」が功を奏し、筋力トレーニングや持久走を取り入れ、フィジカルを強化した。

 努力は結果となって表れた。昨年4月の世界連盟スーパーシリーズの男子シングルスで初優勝。さらに同8月の世界選手権で、同種目として日本選手初のメダルを獲得した。

 「世界でも臆することなく戦える自信がある」。富岡一中、富岡高で過ごした6年間で技術を磨いた成長著しい日本の若武者が、夢舞台での「日本男子初のメダル獲得」を見据える。

 【陸上】東邦銀行陸上部 千葉「娘にかっこいい姿を」

 白い息を吐きながら、グラウンドを駆け抜ける。福島大で練習に励む東邦銀行陸上競技部。選手たちの目には遠い南米の地が映る。

 「新しい自分の走りで、もう一度世界と戦いたい」。ママさんアスリートとして臨む千葉麻美(30)は2008(平成20)年の北京五輪以来の出場を目指す。長女美月ちゃん(4)に「かっこいい姿を見せたい」と語る。

 青木沙弥佳(29)は、千葉と同じく北京以来の2度目の五輪が目標。昨年8月の世界選手権では1600メートルリレーで日本新記録をマークした。「力の差は大きいが、自分の走りはもっと進化できる」と闘志を燃やす。

 本年度入行の紫村仁美(25)は初の五輪を夢見て地元佐賀県を離れ、福島に来たスプリンター。「支えてくれている人たちのためにも五輪に出て恩返しがしたい」と100メートル障害で日本人女子初の12秒台を狙う。

 パラリンピックを目指すのは佐藤智美(25)。昨年は100メートルで日本記録を2度更新するなど大きく飛躍。「リオをずっと目標にしてきた。決勝に残り、メダルを取りたい」と意気込んだ。

 【サッカー】菅沢優衣香(富岡高卒) 世界一、奪還へ

 日本中を熱気に包んだサッカー女子ワールドカップ初優勝から5年。「歓喜を再現したい」。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのFW菅沢優衣香(25)=JFAアカデミー福島出身=は五輪での女子日本代表「なでしこジャパン」入りと、世界一奪還に闘志を燃やす。

 「夢舞台だったが、優勝を逃した悔しさが残っている」。昨夏のW杯カナダ大会決勝、菅沢は前半途中からピッチに立ったが、逆境をはね返せず米国に2―5で敗れた。「五輪こそは金メダルを取りたい」との思いが原動力だ。

 なでしこリーグでは168センチの長身を生かしたヘディングを武器に2季連続で得点王を獲得。名実ともに国内を代表するストライカーに成長、「スタメンを脅かしたい」とレギュラー定着を狙う。富岡高時代の3年間を本県で過ごした。「活躍する姿を見せて県民を勇気づけたい」と意気込む。

 【トライアスロン】菊池日出子(棚倉町出身) 出場枠三つ「諦めない」

 小学生の時にテレビで見た五輪中継が脳裏に焼き付いている。競泳でスタート前に選手の名前がコールされ、湧き上がる歓声。鳥肌が立ち「いつか私も出たい」と強く思った。

 トライアスロンの菊池日出子(29)=棚倉町出身=は初めて大舞台が見えたロンドン五輪の最終選考レースで思うような結果を出せなかった。けがの影響もあったが、「焦りがあった」と振り返る。

 再び前を向けるようになるまでに時間はかかったが、自分の長所は諦めないことだと心を決めた。

 震災後には「復興へ向かう福島を元気づけたい」と拠点を宇都宮市から県内に移した。「諦めなければ達成できることを証明したい」。五輪の出場枠は三つ。小学生の時に思い描いた夢を実現するため、今日も練習に打ち込む。

 【自転車チームスプリント】新田祐大(会津若松市出身) "活躍する姿"見せたい

 自転車チームスプリントの新田祐大(29)=会津若松市出身=は五輪出場の可能性を信じて練習に励んでいる。

 競輪でG12勝。五輪に向け調整していたが、代表チームから声が掛かっていない。新田不在の日本代表はワールドカップで苦戦。アジア選手権など残り3大会でポイントを上積みする必要があり、厳しい状況に置かれている。

 決して意欲を失ったわけではない。自転車の道に飛び込んだきっかけは五輪への憧れだった。伏見俊昭(39)=白河市出身=らがアテネ五輪で銀メダルを獲得した時、競輪学校生だった新田は「ものすごく感動した。頑張れば、いつかは大舞台に立てる」と実感した。「若い選手が夢を実現できるよう活躍する姿を見せたい」。その信念を胸に全力でペダルを踏み込む。

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