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ふくしまの舞台
百万人の大合唱
(郡山市)
戦後、市民を希望に導く

百万人の大合唱

音楽都市郡山を象徴するかのように、まちなかには音楽をテーマに作られたベンチやいすが並んでいる

 「東北のシカゴ」から「東北のウィーン」へ―。昭和30年代前後に郡山市で起こった音楽による、まちの復興活動をモデルに作られたのが映画「百万人の大合唱」だ。
 映画の舞台は戦後の郡山。主人公は郡山市の音楽教師。主人公たちは、主催した音楽会が暴力団の嫌がらせで失敗し、その赤字を埋めるため、より大規模な音楽会を企画する。そして主人公は、研修で訪れた東京のまちなかで、市民の大合唱を指揮する有名指揮者の姿に感動。その指揮者を招き、郡山でも大合唱を成功させようと試みる。
 試みの前には再び暴力団が立ちはだかるが、主人公たちはさまざまな困難を乗り越え、映画は市民があふれる会場での大合唱でフィナーレを迎える。
 ロケは1971(昭和46)年秋、安積高など市内各地で行われた。フィナーレを飾る大合唱の舞台になったのは、今はもうない市民会館だ。当時の街の姿を知る人にとっては、懐かしい映像の連続だろう。
 現実の郡山市でも昨年5月、これまでの歩みを基に「音楽都市宣言」を議会で可決。音楽都市元年には各音楽コンクールで地元勢が次々と好成績を収めた。
 市内の文化センターなどの施設ではもちろん、まちなかや店舗のちょっとしたスペースでも日常的にコンサートが開かれる。まちなかには音楽をテーマに作られたベンチやいすが並び、「音楽都市郡山」をPRしている。戦後の困窮から、市民を希望に導いた音楽のまちづくりの精神は、今も市民の間に根付いている。
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 百万人の大合唱 1972(昭和47)年公開。若林豪、酒井和歌子、峰岸徹(当時隆之介)らが出演。郡山青年会議所(JC)と郡山西ロータリークラブが2006(平成18)年、同作品をDVD化した。
 ▽問い合わせ=同JC(電話024・932・2289)
【 42 】 2009年2月5日 福島民友新聞社・木曜ナビ ほっと面掲載
( 文・斎藤明日香 写真・吉田義広 )  
 

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