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福島遺産百選
相馬野馬追
(相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町)
【 2 】
相馬武士の精神を受け継ぐ伝統行事

砂塵舞う甲冑競馬

砂塵舞う甲冑競馬

2年ぶりの開催となった甲冑競馬。人馬一体となり先祖伝来の旗指物をなびかせながら、大地を疾駆する騎馬武者たち。この日を待ち望んでいた観客が歓声でたたえた

 大地を疾駆する甲冑(かっちゅう)競馬、舞い降りてくる御神旗を奪い合う神旗争奪戦…。旧相馬藩領内で行われる相馬野馬追。人馬一体となった迫力ある伝統の行事は、毎年7月下旬、真夏の太陽が照りつける中で繰り返されてきた。親から子、孫へと代々受け継がれ、相馬武士の魂を今に伝える。国指定重要無形民俗文化財で、1000年以上の歴史がある。
 始まりは相馬家の始祖・平将門が武備の増強を図るため、下総国葛飾郡小金ケ原(現在の千葉県流山市付近)で行った軍事訓練とされる。野に放った馬を敵兵に見立てて追いかけ、捕らえ、馬術や戦場での駆け引きを鍛錬したといわれている。
 昨年は震災と原発事故の影響で規模を縮小。復興のシンボルと犠牲者への鎮魂の願いを込めて開催した。今年は従来通りの行事内容で404騎が出陣。相馬武士の雄姿がふる里に戻り、復興への確かな足取りが感じられた。
 (相馬野馬追執行委員会(電)0244・22・3064)


 この土地に生きる人たちの精神的な支え
 本田 信夫(ほんだ・のぶお)さん
 /各郷の騎馬武者でつくる三社・五郷騎馬会会長

 未曽有の災害が襲った昨年は、実施に慎重な意見もありましたが規模を縮小して開催しました。開催後、「生きる勇気が出ました」「災害に負けない気持ちが湧いてきました」など、多くの声が寄せられました。野馬追は伝統とともに、ふる里の人たちの生きる力にもなっています。
 今年は、馬の確保が難しかった上、避難先から出場する人も多く、開催までは困難がありました。私も避難先の会津若松市と自宅(南相馬市小高区)を二十数回、往復しました。
 歴史をひも解くと、過去にも津波で大きな被害が出たことがありました。その時も野馬追は中断していません。歯を食いしばってでも開催しよう―。きっと私たちと同じ気持ちだったのではないでしょうか。
 原発事故の影響で、いつふる里に帰ることができるのか分かりませんが、野馬追を途切れさせることなく続けていくことが、相馬武士の精神を伝えていくことであり、復興への力になっていくはずです。

鎮魂と復興

鎮魂と復興

昨年は原発事故の影響で会場を相馬小高神社から多珂神社へ移して行われた神事。鎮魂と復興を祈願

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2012年10月9日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

相馬中村神社(相馬市)

相馬中村神社(相馬市)

 馬陵公園内西側の小高い丘に位置し、相馬家代々の氏神として崇敬される、相馬三妙見社の一つ。相馬野馬追の際は、境内で総大将の出陣式が行われる。現在の社殿は1643(寛永20)年に造られ、1983(昭和58)年に国の重要文化財に指定された。(相馬中村神社(電)0244・35・3363)


つつこ引き祭り(伊達市)

つつこ引き祭り(伊達市)

 伊達市保原町の厳島神社で毎年3月に行われる、1年の五穀豊穣(ほうじょう)を占う祭り。県の十大奇祭。「つつこ」と呼ばれる重さ約800キロの大俵を、3方向に分かれた下帯姿の若衆が激しく引き合う姿は、信達地方の春の風物詩でもある。(実行委員会<厳島神社>(電)024・576・4062)


飯豊連峰(喜多方市ほか)

飯豊連峰(喜多方市ほか)

 「日本百名山」に数えられる飯豊山(標高2105メートル)を主峰に御西岳、大日岳など2000メートル級の山々が連なる「東北のアルプス」。亜高山帯に針葉樹林がほとんどないことが最大の特徴。(喜多方観光協会山都支部(電)0241・38・3830、西会津町経済振興課(電)0241・45・2213)

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