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福島遺産百選
白水阿弥陀堂(いわき市)
【 8 】
仏像にひび、半年かけ修復

屋根のふき替えも復興のシンボルに

平安の輝き

平安の輝き

【震災後】56年ぶりに屋根をふき替え、往時の輝きを取り戻した白水阿弥陀堂。仏像の修復も終わり、徐々に拝観者も増えている。復興のシンボルとして注目される

 いわき市の願成寺にある白水阿弥陀堂は、建造物では県内唯一の国宝。1160(永暦元)年、鎮守府将軍藤原清衡の娘徳姫が亡夫・岩城則道の冥福を祈り、徳姫の故郷、奥州平泉の中尊寺金色堂を模して建立したとされる。
 堂内には、阿弥陀如来像や両脇侍の観世音菩薩(ぼさつ)像など、国の重要文化財に指定される5体の仏像が安置されている。四季折々に自然豊かな表情を見せる浄土庭園も国指定の史跡。
 東日本大震災で阿弥陀堂は大きな被害から免れたものの、阿弥陀如来像など仏像にひびが入った。仏像は今年1月から約半年間をかけて修復した。
 また、震災前から予定していた屋根のふき替えは実に56年ぶり。屋根の一部に市民らの願いが書かれた板を使う市民参加型の取り組みやライトアップが行われるなど、復興のシンボルとして往時の輝きを放っている。
 ※問い合わせは、白水阿弥陀堂 ((電)0246・26・7008)へ。


 平安文化、地域とともに後世へ
 赤土 隆行(あかど・りゅうこう)さん/願成寺住職
 阿弥陀堂は震災での倒壊を免れ、私の代の一大事業である屋根のふき替えが完了しました。仏様も無事に修復が終わりました。
 震災前まで、これだけ阿弥陀堂が脚光を浴びることはありませんでしたが、震災を機に復興のシンボルとして注目されるようになりました。拝観者数は震災前には遠く及びませんが、少しずつ回復しています。
 震災後は、屋根のふき替え工事の一般公開や屋根の板に願い事を書く取り組み、800年以上の歴史で初めてとなるライトアップを行うなど、宗教遺産であり、文化財でもある阿弥陀堂をさまざまな形で活用してきました。
 それは、この素晴らしい遺産を活用することで多くの人が歴史や仏教を学び、遺産に親しみ、守ることにつながると考えているからです。どんな文化財も一人で守ることはできません。これからも平安時代の雰囲気を守り、後世に伝えていくために、地域の方々と協力して歩んでいきたいと思います。

浄土に触れる

浄土に触れる

【震災前】四季折々に自然豊かな表情を見せる浄土庭園。年間を通じて多くの拝観者が訪れていた

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2012年11月20日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

智恵子の生家(二本松市)

智恵子の生家(二本松市)

 1886(明治19)年に生まれた高村智恵子は、当時はまれな油絵画家として新しい女性像を模索した。保存、公開されている生家では、智恵子が愛用した琴や機織り機などが展示され、少女期の智恵子の生活を垣間見ることができる。(二本松市智恵子記念館(電)0243・22・6151)


安達ケ原黒塚(二本松市)

安達ケ原黒塚(二本松市)

 安達ケ原の鬼婆(ばば)を埋葬したとされる黒塚。一本杉が目印の黒塚には、供養塔や三十六歌仙の平兼盛の歌碑などが建てられている。現在は、鬼婆を倒した僧が開山したという観世寺で祭礼が行われるなど、地域住民が伝説の地を守り続けている。(観世寺(電)0243・22・0797)


磐梯山(猪苗代町ほか)

磐梯山(猪苗代町ほか)

 民謡「会津磐梯山」で「宝の山」と歌われる会津のシンボル。周辺集落に甚大な被害を及ぼした1888(明治21)年の大噴火など、長い歴史の中で噴火を繰り返し、現在は標高1819メートルの大磐梯を主峰に櫛ケ峰、赤埴山の峰々で形成されている。(猪苗代観光協会(電)0242・62・2048)

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