minyu-net

ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
    【 福島遺産 百選TOP 】
福島遺産百選
豊間海岸と塩屋埼灯台(いわき市)
【 11 】
灯台の公開は復興の光

人影のない観光スポット

鳴き砂守れるか

鳴き砂守れるか

【震災後】津波で海岸の砂が流され、鳴き砂の性質が失われつつある豊間海岸。市民有志が保全活動に取り組む。写真奥の塩屋埼灯台は、一般公開を目指し工事が進む

 いわき市の豊間海岸は、美しく、白い砂浜が広がり、全国的にも有名な鳴き砂の名所として知られている。砂に不純物が少なく、歩くたびに「キュッ、キュッ」という独特の音を楽しむことができる。この奇麗な海岸を求め、毎年、夏は大勢の海水浴客が訪れ、砂浜には親子連れの楽しそうな歓声が響いていた。海岸沿いの民宿もにぎわった。
 海岸の北側には、故美空ひばりさんの名曲「みだれ髪」の舞台としても知られる、同市の観光シンボル塩屋埼灯台がある。
 東日本大震災で、海岸周辺の家々は津波で流され、地区一帯の高台移転も検討されている。震災前の街並みやにぎわいを思い起こさせるものは何も残っていない。海水浴シーズンも昨年、今年と人影はなかった。灯台は外板部などが損傷し、昨年11月にようやく点灯を再開。現在は、本年度中の一般開放を目指して補修工事に取り組んでいる。
 (いわき観光まちづくりビューロー(電)0246・44・6545)


 市民が守るいわきの「鳴き砂」
 佐藤 孝平(さとう・こうへい)さん
 /豊間海岸の保存活動に取り組むいわき鳴き砂を守る会会長

 私たちが子どもの頃は、いわきの海岸のほとんが鳴き砂の浜でしたが、年々、鳴き砂は減り続けています。震災では、津波で豊間海岸の砂が流されたことで、その性質が失われつつあります。
 現在は、いわき鳴き砂を守る会をはじめ、保全活動に賛同してくれた市民らとともに清掃活動や放射線量の測定を行っています。また、定期的に砂の調査にも取り組み、砂の粒子を調べて鳴き砂マップを作成しています。
 地域の人々は、家族を亡くしたり、家を流されたりするなど、大きな被害を受けました。豊間海岸を訪れる観光客もいなくなってしまい、大変残念に思います。
 私たちは、鳴き砂を守り、さらに多くの人に知ってもらうことで、この地域の復興に役立てられるよう活動していく決意です。そして、この美しい海岸を、変えることなく後世に残し、より多くの人に魅力を発信することが、将来、この地域の発展につながると考えます。

空と海と灯台

空と海と灯台

【震災前】空と海の青さ、白亜の灯台のコントラストが美しく、観光スポットとしてにぎわっていた

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2012年12月11日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

冬木沢の空也念仏踊り(会津若松市)

冬木沢の空也念仏踊り(会津若松市)

 平安時代の浄土教の僧、空也が亡くなった場所とされる八葉寺に伝わる。毎年8月5日、墨染めの衣をまとった有志が、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし「南無阿弥陀仏(なもうだ)」と独特の発音で念仏を唱え、祖先の供養、極楽往生を願う。(八葉寺永世兼帯金剛寺(電)0242・22・1689)


二本松のちょうちん祭り(二本松市)

二本松のちょうちん祭り(二本松市)

 毎年10月に二本松神社の例大祭として行われる、全国屈指の大提灯(ちょうちん)祭り。メーンの「7町合同引き回し」では、1台に約300個の提灯を取り付けた太鼓台が市街地を練り歩き、街中に祭りばやしと若衆の勇ましい掛け声が響く。(二本松市観光課(電)0243・55・5122)

福島民友新聞 購読ご案内

ご購読のお申込

 民友携帯サイト
   NEWSmart

右のコードを読み取り、表示されたURLでアクセスできます。

QRコード
  minyu-netメニュー | ホーム | 県内ニュース | スポーツ | 連載 | 社説 | イベント | 観光 | グルメ | 健康・医療 | 購読申込 |

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN