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福島遺産百選
白河提灯まつり(白河市)
【 14 】
神様に守られた祭り

震災で順延、3年ぶりの開催

3年ぶりの活気

3年ぶりの活気

震災の影響で1年順延となり3年ぶりの開催となった。提灯を手に、神輿を担いで威勢良くたいこ橋を渡る氏子ら。震災前と変わらない活気のある祭りとなった

 白河地方の総鎮守、鹿嶋神社の2年に1度の祭礼。350年以上の伝統を誇る全国有数の提灯(ちょうちん)まつりだ。
 「神様を動かすのは夜」との言い伝えから、明かりとして提灯を使ったことが始まりとされる。神輿(みこし)の町内渡御、提灯行列、山車の引き回しなど、祭りの形態は、1657(明暦3)年、白河藩主本多能登守忠義が鹿嶋神社に神輿を寄進した際にできた。この時、幕府の許可を得て、厳格な武家社会の格式を導入、各祭りの始まりと終わりには氏子による口上が行われる。別名「儀式祭り」とも呼ばれる。
 提灯行列では、23町の町印が書かれた提灯を持ち、神輿とともに全町内を巡る。これには「皆の生活する様子を神様に見てもらう」との意味があるという。
 一昨年、開催予定だったが、東日本大震災で、家屋被害や犠牲者が出たため翌年に順延。昨年9月、3年ぶりに開催した。
 (鹿嶋神社(電)0248・23・3079)


 伝統の重み、開催にこみ上げるうれしさ
 須永 敏行(すなが・としゆき)さん
 /白河提灯まつりの責任者、宮本氏子総代

 白河提灯まつりは、23町の氏子らの寄付で運営されています。一昨年の震災では、甚大な被害が出たため全町の氏子総代が話し合い、開催は難しいと判断、翌年に順延することにしました。
 昨年9月の開催では、市民から「いい祭りでした」「開催できてよかったですね」などと声を掛けられ、多くの人が祭りを心待ちにしていたことが分かりました。私も心の底からうれしさがこみ上げてきました。350年の伝統を、私たちの代で終わらせるわけにはいきませんから。
 参加者の多くは鹿嶋神社の氏子ですが、一般の方も参加しています。昨年は仮設住宅で避難生活をする方が加わりました。祭りは参加する人にも、見る人にも元気や希望を与えます。気持ちの面で復興にも役立ったのではないでしょうか。
 昨年から市内の小学校で出前講座を開き、まつりの歴史などを教えています。この土地にしっかり根付いている伝統のまつりを、後世に伝えていくことも、今を生きる私たちの役割です。

提灯を頼りに

提灯を頼りに

川を渡る「全町渡河」は、身を清める意味があるという。参加者たちは夜の阿武隈川を提灯の明かりを頼りに渡る

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2013年1月8日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

山鶏滝(平田村)

山鶏滝(平田村)

 母畑湖の近く、平田村中倉の北須川の渓流に位置する。約10メートルの高さから豊富に流れる水と岩肌の対比は絶妙で、滝を囲む手つかずの自然は四季折々の美しい姿を見せる。滝周辺は修験の場であったようで、滝の傍らには山鶏滝不動堂がある。(平田村産業課(電)0247・55・3115)


代畑の汗かき地蔵(中島村)

代畑の汗かき地蔵(中島村)

 中島村代畑地区のお堂に安置されている座像の石地蔵。事変が起きそうな際には地蔵の五体から汗が噴き出す、との言い伝えから「汗かき地蔵」と呼ばれるようになったとされている。地区の守り神として住民に慕われている。(中島村教育委員会生涯学習課(電)0248・52・2503)


南須釜の念仏踊り(玉川村)

南須釜の念仏踊り(玉川村)

 赤や黄色の花がさをかぶった少女たちが、歌に合わせて扇子や綾(あや)竹を使った伝統の舞を奉納する。4月3日は玉川村の東福寺境内、8月14日は新盆の家を回って「さ夜の中山」など9曲を披露。30人ほどで念仏踊りを繰り広げる。(玉川村企画産業課(電)0247・57・4629)

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