歴史、文学に名を刻む
春に群れ咲くカタクリの花
|
雪の古関跡
|
|
14日の大雪で、周辺は積雪が30センチ以上に。家々では午後遅くまで雪かき作業が続く中、白河の関跡敷地にある白河神社の参道はきれいに雪かきが終えられていた
|
|
奥州三古関の一つ。蝦夷(えみし)の南下を防ぐ目的で築かれ、奈良から平安時代に砦(とりで)として機能していたとみられる。
律令(りつりょう)国家の衰退でその役割を失うと、都の風流人たちがはるか遠くに思いをめぐらす憧れの地となり、歌枕として多くの歌に登場する。平安時代、能因法師の「都をば 霞とともに 立ちしかど 秋風ぞ吹く 白河の関」などが有名だ。
後代、関跡の正確な場所は分からなくなっていたが、白河藩主松平定信が文献などを詳細に調べ、1800(寛政12)年にここに「古関蹟」の碑を建てた。さらに、1959(昭和34)年からの調査では、出土物や遺構など関跡の特徴が多く見つかり、66年9月に国史跡に指定された。
周辺は「白河関の森公園」として整備されている。カタクリの群生地としても知られ、春には紫の花が彩る。
震災では、関跡内にある白河神社の石灯籠や石碑などが崩れるなどした。
(白河観光物産協会(電)0248・22・1147) |
地域の暮らしの中で守ってきた |
三森 繁(みもり・しげる)さん
/白河の関跡に隣接する公園内でそば店を営む
白河の関は地域の歴史や暮らしのなかで、身近にあり続けてきたものです。歴史的、全国的に名高く、それは誇りでもあります。
国史跡なので勝手に手を入れることはできませんが、周辺の下草刈りなど住民の手で行っています。隣接する白河関の森公園は、観光地として、また市民憩いの地となっており、春にはかたくり祭り、夏のホタルまつり、秋の新そば祭りなどが開かれ、地域のさまざまな団体が積極的に協力・参加してます。
昨春からは、バイク愛好者らに、ツーリングで巡ったふくしまの魅力を発信してもらう「白河関通行手形みちのくプロジェクト」(県サポート事業)に協力しています。公園内施設にライダー向けの休憩所を設置していますが、リピーターも多く、手応えを感じています。
白河の関を守り、伝えるには、知ってもらうことが大切です。多くの方に来ていただき、ここにまつわる歴史や伝説に思いをめぐらせていただけるよう、情報を発信していきたいと思います。
|
震災の影響も
|
|
国指定の範囲ではないが、敷地内にある白河神社の灯籠や石碑7基が倒壊するなどした。一部は住民の手で元に戻されている
|
|
福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。 |
|
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化 |
地域の宝を復興の力に |
震災に耐えて |
東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。
奥会津のブナ林(只見町ほか)
|
|
豪雪地帯として知られる奥会津のブナ林には、幹回り3メートル以上、樹高30メートルに及ぶ巨木が高密度で分布している。ブナの森は大量の水を蓄えるため「自然のダム」と例えられ、イヌワシやクマタカなど奥会津に生息する希少種も数多い。(只見町観光まちづくり協会(電)0241・82・5250)
|
波立海岸の植物群(いわき市)
|
|
いわき市久之浜の波立寺(波立薬師)周辺の海岸丘陵一帯は「波立山」とも呼ばれ、海岸性で暖地性の自然林が広がる。ヤツデなどの常緑樹のほか、林床にはツワブキ、ハマギクなどが自生する。1956(昭和31)年、県の天然記念物に指定された。(波立薬師(電)0246・82・2820)
|
会津の酒蔵群(会津若松市ほか)
|
|
会津地方伝統の酒造りを支えるのが、蔵元の酒蔵。温度管理に対応しながら、燃えない構造となっているのが特徴で、先人の知恵が結集された建築物。会津若松は「蔵のまち」喜多方にも劣らない蔵数を誇り、保存・修復も行われている。(末廣酒造・嘉永蔵(電)0242・27・0002)
|
|
|
民友携帯サイト
右のコードを読み取り、表示されたURLでアクセスできます。
|
|
|
|