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福島遺産百選
会津本郷焼(会津美里町)
【 26 】
窯元の個性と伝統が融合

“東北最古の工芸品”陶器、磁器の産地

崩壊から復活へ

崩壊から復活へ

東北最古となる300年の歴史を持ち、会津美里町重要文化財に指定されている宗像窯の登り窯は震災で崩壊したが、有志によるプロジェクトで復活した

 陶器と磁器が混在する会津本郷焼は、窯元によって独自の製法やデザインが確立され、ほかの産地とは違った窯元ごとの個性あふれる焼き物が作られる。1593(文禄2)年、蒲生氏郷が黒川城(現在の鶴ケ城)の改修のため、播磨国から瓦工を呼び寄せ瓦を製造したのが起源とされる。以来、戊辰戦争など窮地を乗り越え、400年以上の伝統を誇る東北最古の工芸品として発展してきた。
 会津本郷焼の産地として名高い会津美里町の本郷地区。陶器の製造は1645(正保2)年、会津藩主保科正之が尾張国瀬戸生まれの陶工を召し抱え製造したのが始まり。1800(寛政12)年には磁器の製法が開発され、その後白磁の製造も始まったとされる。
 毎年8月に瀬戸町通りで開かれる「せと市」。会津地方を襲う原子力災害の風評被害を吹き飛ばすかのように大勢の焼き物ファンが訪れる。
 (会津本郷焼事業協同組合(電)0242・56・3007)


 1優れた作品、世に問い続ける
 西田 理人(にしだ・みちと)さん/会津本郷焼事業協同組合副理事長
 ほかの産地に比べ被害は小さく運が良かったと言えますが、東日本大震災の長く続いた揺れで各窯元が被災。登り窯が崩壊したり素焼きの状態で窯の中に収納していた作品が倒れ壊れるなどの被害を受けました。
 原発事故の直後は客足がぱったりと途絶えました。首都圏をはじめ中通りの観光施設などに卸している窯元もありますが、店に足を運び買ってもらっている窯元がほとんど。観光客が少なくなっただけではなく、作品の放射能値を測ってほしいとの話もあり、風評被害の大きさを感じました。
 震災後、会津美里振興公社が運営していた窯の美里いわたて1階にある共販所を会津本郷焼事業協同組合が運営するようになりました。風評被害を払拭(ふっしょく)するには各窯元がこれまで以上に良い作品を作っていくしかないと考えています。会津本郷焼では若い世代も頑張っています。個性ある作品を作り、その情報を発信していけば信頼を取り戻せると信じています。

独自の製法

独自の製法

400年以上の伝統を誇る会津本郷焼。陶器と磁器が混在し、各窯元は独自の製法やデザインを確立する

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2013年4月2日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

あぶくま洞・入水鍾乳洞(田村市)

あぶくま洞・入水鍾乳洞(田村市)

 あぶくま洞は1969(昭和44)年に発見された。鍾乳石の種類と数の多さから、東洋一とうたわれている。入水鍾乳洞は水路が多く、手つかずの地底をロウソクなどを頼りに進むコースもある。(あぶくま洞管理事務所(電)0247・78・2125、入水鍾乳洞管理事務所(電)0247・78・3393)


八溝山と久慈川渓谷(棚倉町ほか)

八溝山と久慈川渓谷(棚倉町ほか)

 茨城、栃木両県と本県東白川地方にまたがる八溝山。標高1022メートルで、登山ルートに群生するカタクリや原生林などの美しい自然が登山者からの人気を集めている。北側に位置する棚倉町には太平洋河口まで124キロに及ぶ久慈川の源流が流れている。(棚倉町観光協会(電)0247・33・7886)


檜枝岐歌舞伎(檜枝岐村)

檜枝岐歌舞伎(檜枝岐村)

 世代を超えて受け継がれている、檜枝岐村の伝統芸能。村民でつくる千葉之家花駒座が、毎年5月12日の愛宕神祭礼、8月18日の鎮守神祭礼で奉納している。年3回の舞台には毎回1000人以上の観光客を集め、専門家からの評価も高い。(尾瀬檜枝岐温泉観光協会(電)0241・75・2432)

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