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福島遺産百選
只見の民具(只見町)
【 28 】
守り伝える先人の知恵

昭和30年代から9000点以上収集

固有の文化財

固有の文化財

豪雪地帯という厳しい自然環境の中で育まれた只見の民具。実際に使っていたお年寄りを中心に整理作業を進めたことで、固有の文化財として価値を高めている

 雄大な自然の中、森や川の恵みを受け暮らしてきた只見町の人々。稲作や畑作、狩猟などのために数多くの民具を作り、生活に役立ててきた。只見町には昭和30年代から収集してきた民具があり、その数は9000点以上にも及ぶ。
 このうち2333点が「会津只見の生産用具と仕事着コレクション」として2003(平成15)年に国重要有形民俗文化財に指定された。民具には町民により一点一点すべてにカードが付けられ、カードには写真とともに地元の呼び名や寄贈者名、使用方法、材質などが記入されている。
 町は、収蔵していた旧朝日地区公民館が一昨年の東日本大震災で被災したため、改修工事を実施。本年度予算に「民具収蔵展示のための基本構想」事業費を盛り込み、来年度以降に第3期民具保存活用運動を展開する。将来的には展示館を建設するとしている。
 (只見町教育委員会生涯学習班(電)0241・82・5320)


 固有の文化財、未来へ残すモノと心
 佐々木 長生(ささき・たけお)さん/県立博物館専門員
 35歳でふる里に戻ってきた時、松川浦の自然の豊かさを感じました。大学進学で上京し、卒業後は旅行雑誌の編集をしていました。今から思えば当時は、松川浦の素晴らしさを過小評価していました。Uターンしてからは、この松川浦を後世に守り伝えていこうと、保全活動に携わっています。
 松川浦は万葉集にも詠まれ、古くから人との関わりがありました。豊かな自然環境は人間に例えるなら胎内のようなもの。そこには生物多様性が育まれ、一昨年、環境省のラムサール条約湿地潜在候補地に選ばれたほどです。しかし、東日本大震災の津波で環境が一変しました。
 一度、姿を消した生き物も徐々に戻り始めていますが、潟湖は微妙な自然の上に成り立っているため、震災前の状態に戻すことは容易ではありません。私たちが、今しなければならないことは、多くの人の知恵を集め、100年後、ここに暮らす人々が、心のよりどころとし、誇りとしていける松川浦にしていくことではないでしょうか。

昔の暮らし身近に

昔の暮らし身近に

町民が大切に守ってきた民具は、先人たちの知恵や暮らしぶりを今に伝える貴重な資料となっている

ふくしま復興支援
 福島民友新聞社は、ふくしま復興支援プロジェクトの一環として、2012(平成24)年10月から13年5月まで、「ふる里の誇り ふたたび 福島遺産 百選 未来への歩み」を連載しました。
 「福島遺産 百選」は、県内それぞれの地域で「ふる里の誇り」として守り継がれてきた有形無形の宝を後世に残していこうと、福島民友新聞社が07年に県内外に呼びかけ、選定しました。
 しかし、計120件のうち31件の遺産が東日本大震災で被災しました。本プロジェクトは、あらためて地域の素晴らしい宝を再認識することで県民一人一人の誇りを取り戻し、「心の復興」につなげていくことを目的としたものです。

2013年4月16日付・福島民友新聞掲載
 
ふくしまが誇る美しい自然、歴史、文化
地域の宝を復興の力に
震災に耐えて
 東日本大震災に耐え、被害を免れた福島遺産もあります。これらは地域で県民に勇気と希望を与え続けています。

昭和のからむし織(昭和村)

昭和のからむし織(昭和村)

 カラムシはイラクサ科の多年生草で「苧麻(ちょま)」とも呼ばれる。栽培や糸作り、手織りなど伝統の技術が約600年間受け継がれている。通気性、吸湿性に優れ、肌触りの良さが特徴。「氷をまとったような」と言われる涼やかさが人気を呼んでいる。(織姫交流館(電)0241・58・1655)


鹿角平(鮫川村)

鹿角平(鮫川村)

 標高700メートルの山間部に広がる、80ヘクタールの広大な草原。現在は村内の大規模畜産農家が維持、管理している。一角には観光牧場がありキャンプ場や天文台などが整備され、シーズン中には多くの行楽客が訪れる。(鮫川村企画調整課(電)0247・49・3115、鹿角平観光センター(電)0247・48・2010)


風呂山公園の山ツツジ(塙町)

風呂山公園の山ツツジ(塙町)

 日露戦争終戦後の混乱期だった、1912(大正元)年、塙青年会が「明るい話題を」と山ツツジを植樹したのが始まり。4月下旬から5月上旬にかけて風呂山の急傾斜地に浮かぶ花々は「町の財産」として守り続けられている。(塙町観光協会=塙町振興課内=(電)0247・43・2112)

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