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日本基督教福島教会
(福島市)
ボーリズが設計、本県最古の教会
日本基督教福島教会
塔屋の屋根、ゴシック調の窓は明治末期の雰囲気を漂わせる。野口英世と母・シカを描いた映画「遠き落日」(1992年、神山征二郎監督)のロケにも使われた
 国道13号線から東側に入った福島市宮下町の住宅地にひっそりとたたずんでいる。1909(明治42)年の創建で本格的な洋風教会堂建築としては県内最古だが、知る人はキリスト教、建築関係者に限られている。その福島協会が2001年の登録有形文化財指定に続いて再び脚光を浴びようとしている。
 発端は町長のリコール、再選挙に発展した滋賀県豊郷待ちの豊郷小改築問題だ。1937(昭和12)年の創建当時、東洋一といわれた同校を設計したのが宣教師で建築家のウィリアム・メレル・ボーリズ(1880ー1964)だった。
 1905年に来日したボーリズは08年12月、近江八幡市(滋賀県)に建築設計監督事務所を開き、1500件の設計に携わった、とされる。福島協会は県内最古であると同時に、ボーリズがわが国で最初に設計した教会といわれている。
 福島教会は木骨レンガ造り一部2階建て。荘厳さを感じさせる礼拝堂には最大200人を収容できる。「信者以外の地元の人が訪れることは少ない協会ですが、はるばる東京、大阪から建築を学ぶ学生や新人建築士が訪ねてくることがあります。ボーリズがアマチュア建築家出身だったので、勉強するには手ごろな建物なんでしょうね」と佐々木栄悦(えいえつ)牧師。
 ボーリズには、終戦直後マッカーサーと近衛文麿元首相の会談実現に努力し、昭和天皇を戦犯から救った、というエピソードがあるがあまり知られてはいない。
 わが国近代建築史上の評価も定まっておらず、もっと知られていい人物だ。
 福島市新町にはもう一つボーリズが設計した福島新町教会(1928年完成)がある。直線で約400メートルという近距離に2つのボーリズ設計の教会が存在する地方都市は全国でも珍しいと思われる。
 福島教会の見学は可能だが、事前連絡が必要。
 >>> 行ってみよう
 JR福島駅から徒歩15分。福島交通の路線バス「信夫山循環13号線先行き」か「福島北警察署」「福島サティ」行き福島四小前下車が近い。福島教会から福島新町教会までは徒歩10分。福島新町教会にはしない1コース新浜公園下車が便利。
<10> 2003.06.06
 

福島民友新聞社
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