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こころに残す ふくしまの風景
古関裕而記念館
(福島市)
名声不動にした東京五輪マーチ
古関裕而記念館
信夫山のふもとに立つ古関裕而記念館
 10日は1年で最も晴れの多い「晴れの特異日」として知られる。1964(昭和39)年10月10日も東京・国立競技場の上空は前日の雨がうそのように晴れ上がり、アジアで初めてのオリンピックが開会した。
 「世界中の青空を全部東京に持ってきたような素晴らしい秋日和です」とアナウンサーの実況放送。そして「心も浮き立つような古関裕而作曲」と紹介されたのが入場行進に流れた東京オリンピックマーチだ。この曲は戦前、戦中から作曲家として知られた古関裕而(1909―89)の名声を不動のものとした。
 さらに、最近では18年ぶりに優勝した阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」の作曲家として再認識されている。「六甲おろし」を作曲したのは36年、27歳の時で大作曲家の片りんがすでに現れている。
 古関裕而が生まれた福島市は、古関に名誉市民章を贈って功績をたたえた。88年11月12日には業績・足跡を永遠に残そうと福島市制80周年記念事業として、記念館を信夫山のふもと・同市入江町の音楽堂敷地内にオープンした。
 古関は自伝「鐘よ鳴り響け」の中で、信夫山を「福島市全市を見渡せる絶好の場所で、わが古関家の墓地もそこにあり、春秋の彼岸に桜や紅葉をめでて訪れる人々も多い美しい所である」と紹介している。古関が愛した信夫山の近くにある記念館は年間を通じて訪れる人が絶えない。
 2階建ての記念館の外観は代表作の一つであるラジオドラマ「鐘のなる丘」のとんがり帽子をイメージして設計され、1階は来館者がゆっくりとくつろぐことのできるサロン、2階には古関裕而が作曲した約6000曲から選りすぐった100曲の試聴コーナーや古関の部屋を再現した記念室などが設けられている。
 不世出の作曲家・古関裕而は今も福島市民の心の中にある。 
 >>> 行ってみよう
 JR福島駅東口発の福島交通バス保原、梁川、藤田、桑折行きなどで日赤病院前下車、徒歩3分。国道4号入江町交差点から車ですぐ。年末年始は休館。入館料は一般300円、小・中学生100円。電話024・531・3012。
<28> 2003.10.10
 

福島民友新聞社
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