【楢葉】「楢葉・ふたば復興診療所」始動 医療再生拠点、1日から診療開始

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診療所の伊藤所長(右)の案内でリハビリ室を見学する内堀知事(前列左)ら=31日午前、楢葉町・ふたば復興診療所

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域の医療再生拠点として県が、楢葉町北田に整備を進めていた「県立大野病院付属ふたば復興診療所」(愛称・ふたばリカーレ、伊藤博元所長)が31日、開所した。1日から診療を始める。現地で行われた開所式では、内堀雅雄知事が「この診療所で住民や復興作業に携わる方の健康を支えていく」と期待を寄せた。

 診療所は平日の外来診療のみを行う。開所により住民帰還に向けた生活環境整備、福島第1原発廃炉などに携わる作業員の医療体制拡充にもつながると期待されている。

 医療再生、帰還加速に期待 課題は「常勤医不在」

 昨年9月に避難指示が解除された楢葉町に31日開所した「県立大野病院付属ふたば復興診療所」。関係者や住民からは、避難区域の医療再生や住民帰還の加速化に向けて大きな期待が寄せられている。

 内堀雅雄知事ら関係者が出席して行われた開所式で、若松謙維復興副大臣、高木陽介政府原子力現地対策本部長らに続き、あいさつした楢葉町の松本幸英町長は「(診療所開所が)双葉地方の復興加速化につながる。地域に愛され、親しまれる診療所になってほしい」と期待を込めた。

 同町の住民帰還率は1月18日現在、町人口の5.7%にとどまり、帰還者に占める65歳以上の高齢者の割合も50%を超える。

 町内では民間クリニックがすでに診療を再開しているが、医療体制拡充は帰還に向けた町民の不安材料の一つで、同町北田地区の行政区長を務める山内茂樹さん(64)も「帰還者には高齢者も多く、診療所完成は帰町に向けてとても心強い」と歓迎する。同地区では診療所に加え、町が商業施設や復興住宅などを集約した復興拠点「コンパクトタウン」の整備も始める予定で、山内さんも年内には避難先から自宅に戻る考えだという。

 診療所では整形外科を担当する所長の伊藤博元日本医大名誉教授のほか、福島医大から派遣される循環器や消化器、腎臓、神経内科、呼吸器などの医師が交代で内科の診療に当たる。

 看護師4人らスタッフ計9人は常勤する一方、内科の「常勤医」は不在となるため、いかに帰還した住民に密着した医療が提供できるかが、今後の運営の課題となりそうだ。

 内科と整形外科、平日に診療実施

 ふたば復興診療所は、鉄骨平屋建てで延べ床面積は約500平方メートル。診療科目は内科と整形外科で診察室のほか、CTや内視鏡の検査室も備える。外来診療のみ行う。内科は週5日(月~金)、整形外科は週3日(月、水、木)。土、日曜日と祝日は休診。診療時間は午前9時30分~正午、午後1時30分~同4時。風邪などの身近な病気から糖尿病や高血圧、肺炎などの診療を行う。住所は楢葉町北田字中満289の1。電話番号は0240・23・6500