【飯舘】再開に心弾む、癒やしの施設...「宿泊体験館きこり」5年ぶり

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
プラネタリウムを楽しみながら岩盤浴ができるサウナ室の感触を久々に確かめる村民ら=24日、飯舘村「宿泊体験館きこり」

 東京電力福島第1原発事故に伴う全村避難の影響で休業していた飯舘村深谷の宿泊体験施設「宿泊体験館きこり」が24日、5年ぶりに運営を再開した。2017(平成29)年3月31日の避難指示解除を目指す方針の村は、同施設の運営再開で村民のコミュニティー維持や帰村促進につなげたい考え。現地で24日、開所式が行われ、関係者が再開を祝うとともに、避難先から訪れた村民が交流を深めた。

 「最高の湯加減」。開所に合わせて早速、福島市の借り上げ住宅から訪れた愛沢文良さん(74)は、5年ぶりの"古里の湯"に満足そうな表情を浮かべた。震災前には週1回は訪れていたといい「これからは湯を楽しむだけでなく、村民との交流を楽しむ場にしたい」と期待する。同市の仮設住宅から訪れた大東マルヨさん(83)も「地元なので、震災前はしょっちゅう来ていた。この場所は懐かしい」と目を細めた。

 1994(平成6)年に営業を開始した同施設は、宿泊施設や入浴施設、体験学習室などを備え、村内外から年間1万人程度が利用していた。村民にとっては「憩いの場」だったが、原発事故による全村避難で休館を余儀なくされた。

 村は村民の交流と地域コミュニティーの維持を目的に2011年9月から先月まで、福島市の飯坂温泉で村民向けの温泉保養施設「いやしの宿いいたて」を運営。施設の老朽化が進んだことから、代替施設として国から約1億円の補助金を受け、きこりの改修工事を進めてきた。

 開所式には関係者のほか、仮設住宅などから訪れた村民らも出席。菅野典雄村長は「新年度を前にきこりを再開できたのは、村民へのささやかなプレゼント。村の復興に向けた村民のコミュニティーや癒やしの場としたい」とあいさつ。関係者がテープカットし、再開を祝った。

 同施設周辺の空間放射線量は24日午後4時30分現在、毎時0.29マイクロシーベルト。村内は避難指示が続いていることから宿泊はできず、当面は入浴や交流の場としての利用に限られる。利用対象は村民のみ。開館時間は午前10時~午後4時。火曜休館。問い合わせは同施設(電話0244・42・1012)へ。