【葛尾】大盛り料理で地域復興を支える 老舗の「石井食堂」再開

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「人が戻ってくると信じ、家族で頑張りたい」。調理に励む石井さん(手前)。奥は妻恵理子さん=28日午前、葛尾村

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が一部を除き解除された葛尾村で飲食店経営石井一夫さん(61)が28日、老舗食堂の「石井食堂」を再開させた。「良い雰囲気の店にして、人が村に戻るのを待ちたい」と、看板の「大盛り」料理で地域復興を支える。

 食堂は震災で建物が被災、以前あった店舗の西側約100メートルの所に移転新築された。この日は石井さんや妻恵理子さん(58)、長男秀昭さん(32)、次男貴裕さん(23)の家族4人が準備に追われた。石井さんは「店が新しく、まだ勝手が分からない」と苦笑いだ。

 石井食堂は、石井さんの義理の両親が始めた。約半世紀、地域に愛されてきた。農業や建設業など体をよく動かす人たち向けに、料理は次第に「大盛り」が定番になった。

 震災後は三春町に仮設店舗をオープンしたが、避難当初から村での再開を決めていた。「食堂が戻らないと私たちも帰れない」。顔なじみの客の言葉が背中を押した。

 村では昨年6月に避難指示が解除されたが、住民の帰還率は1割ほど。店では当面、チャーハンやラーメンなど数種類に絞って提供する。客を元気づけようと大盛りは以前の通り。石井さんは「人が戻ってくると信じ、家族で頑張りたい」と話している。