【富岡】6年ぶりに『富岡のピアノ』帰還 交流センター「学びの森」

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
帰還したグランドピアノ「スタインウェイ」の音色に合わせて「富岡わがまち」を歌う町民=富岡町・文化交流センター「学びの森」

 東京電力福島第1原発事故による避難で、富岡町の文化交流センター「学びの森」から運び出されていたグランドピアノの名器「スタインウェイ」が20日、約6年ぶりに現地へ戻った。預かり先だった郡山市の星総合病院から届けられると、町内外から集まった町民が出迎え、美しいピアノの音色に乗せ、町民の歌「富岡わがまち」を合唱した。

 ピアノは原発事故から1年後の2012(平成24)年に持ち出され、仙台市を経て13年7月から星総合病院に貸し出された。ピアノを生かした音楽活動を通し、避難生活を送る富岡町民と受け入れ先の郡山市民の心の交流に一役買ってきた。

 学びの森のホールに到着したピアノは、専属の調律師の手で震災前と変わらぬ音色を取り戻した。納品した星総合病院法人事業本部事務局の椎名亨課長は「預かっていたピアノを無事に返すことができて安心している。住民相互の交流が深まり、子どもからお年寄りまで音色を楽しんでもらえた」と感謝した。

 震災前まで学びの森を拠点にしていた「富岡町童謡・唱歌を歌う会」の会員約15人や石井賢一町教育長が懐かしい音色に聞き入りながら喜びの歌声を合わせた。

 歌う会の講師だった宇佐見京子さんが埼玉県から駆け付け、ピアノを奏でた。宇佐見さんは「ホールにピアノが戻り、みんながそろってまた歌えたので気持ちが弾んだ」と笑顔を見せた。