【南相馬】書店「フルハウス」4月9日開店 柳美里さん、イベントも企画

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書店の開店準備を進める柳さん=南相馬市小高区

 芥川賞作家柳美里さん(49)の書店「フルハウス」(南相馬市小高区東町1の10)は4月9日、開店する。開店に向けた準備が大詰めを迎えている。柳さんは「本は別世界への扉。書店を通じてその扉を開くために手助けしたい」と意気込む。

 南相馬市原町区から昨年7月に同市小高区に引っ越した柳さん。移り住んだのは、水道業者の事務所兼作業場兼自宅だった建物で、JR小高駅から西に200メートルの駅通りに面した場所にある。

 「学校帰りで電車を待つ高校生たちが時間をつぶせる場所がない」。小高産業技術高の校歌を作詞した柳さん。その高校生たちのために何かできることはないかと考えた時、思い付いたのが書店だった。書店の店名は、柳さんが初めて出版した小説本の題名にちなんでおり、「大入り満員」を意味する。書店では柳さんの著作や、柳さんの知人らが選んだお薦めの書籍が並ぶ。書店は柳さんが店長、夫の朝晴さん(34)が副店長を務める。建物1階の2部屋を2月ごろから改装。店内には本棚やレジがすでに据え付けられ、書店の雰囲気になっている。

 これまで多くの著作を生み出してきた柳さんだが、書店員の経験はない。4月2日には福島市の書店で研修を受け書店員の仕事を学ぶ。「見るとやるとでは大きく異なる。きちんと身に付けてきたい」と話す。

 営業初日の9日は午後1時に開店する。相馬野馬追の地であることから、礼螺(れいがい)で幕開け。その後、関係者らによるトークイベントを繰り広げる。

 柳さんはこのほか、定期的に小説家や詩人らを書店に招いたトークイベントや輪読会を企画している。「顔と顔を突き合わせることから、物事が始まる。本の作り手と読者を結び紹介する場所にしていきたい」

 定期開催のイベントは午後2時30分開演。前売り券2000円、当日券2500円(高校生以下は無料)。予約はパスマーケットで。(輪読会は参加無料だが、次週のゲストが朗読する作品が収録されている本が必要)。

 書店の営業は午後1時から同9時20分。定休日は日曜日と月曜日。問い合わせは同店(電話0244・26・5080)へ。

 ■「フルハウス」イベント予定
 【4月】▽14日=佐藤弘夫(東北大教授)▽21日=和合亮一(詩人)▽28日=中村文則(小説家)
 【5月】▽5日=角田光代(小説家)▽12日=小山田浩子(小説家)▽19日=飯沢耕太郎(写真評論家)▽26日=青山七恵(小説家)
 【6月】▽2日=いしいしんじ(小説家)▽9日=最相葉月作品の輪読会▽16日=最相葉月(ノンフィクションライター)▽23日=鎌田實(医師・作家)▽30日=村山由佳作品の輪読会
 【7月】▽7日=村山由佳(小説家)▽14日=岡映里作品の輪読会▽21日=岡映里(作家)
 【8月】▽4日=佐伯一麦作品の輪読会▽11日=佐伯一麦(小説家)
 【10月】▽6日=豊崎由美(書評家)※無料
  ※8月18日から9月29日は未定