【相馬】9月にウオーキングイベント 「潮風トレイル」9日全線開通

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 東日本大震災で被災した東北の太平洋沿岸部を歩いて、復興を支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」(青森県八戸市―相馬市)の全ルート(全長1000キロ)が9日、開通する。県内でも相馬市と新地町にルートが設定されており、誘客への期待が高まる。一方で受け入れ態勢の課題もあり、関係者が関連イベントや旅行商品の企画などでアピールに取り組んでいる。

 「潮風トレイル」は震災後の2011(平成23)年6月に環境省が構想に着手。本県と青森、岩手、宮城の4県28市町村を結ぶ長距離の自然歩道で、13年から順次ルートが公表されてきた。

 残る岩手県の「田野畑村―岩泉町」「宮古市―大槌町」、宮城県の「南三陸町―女川町」「石巻市―名取市」の4区間で開通準備が整い、9日に宮城県名取市で開かれる記念式典で全線開通が宣言される。

 ルートには海の雄大な景観を楽しめる場所が豊富で、険しい山や満潮時には通れないコースも設定。同省などによると、全区間を歩くには慣れた人でも約2カ月かかるという。

 相馬、9月にウオーキング

 県内は、14年10月に相馬市~新地町の約50キロのコースが設定された。松川浦環境公園がトレイルコース全体のスタート・ゴールとなっており、相馬中村神社や鹿狼山など相馬地方の歴史や自然が楽しめる。

 市観光協会は6月1日と9月15、16日に全線開通を記念したウオーキングイベントを予定。特に9月は2日間で50キロを踏破する初の試みだ。外国人の利用も想定しており、仙台空港を活用した誘客策も検討する。

 同協会は14年から10回にわたり、ルートを活用したイベントを開き、延べ2500人が参加した。復興事業が落ち着きはじめ、各旅館もハイカーの受け入れ態勢が整いつつある。市内の旅館・食堂などでつくる松川浦観光振興グループ事務局長の管野貴拓さん(43)は「観光資源も増えた。需要があると思う」と全線開通に期待を寄せる。旅行会社でも松川浦の旅館を組み込んだツアーを企画する動きが出ている。

 ハイカーが快適に歩ける環境も課題。市内にはトイレや給水で利用できる「トレイルオアシス」が5カ所設定されているが、不十分との指摘もある。同協会の遠藤美貴子さん(50)は「地元住民が気軽にハイカーに声を掛ける環境がつくれればハイカー増加や店舗の利用増にもつながる」と話す。