【郡山】日露戦争論じた貴重な「朝河貫一著書」 安積歴史博物館に寄贈

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朝河貫一が独自の視点で日露戦争を論じた「日露衝突」

 郡山市の安積高同窓会「安積桑野会」は16日、同校の卒業生で、米エール大で教壇に立った二本松市出身の歴史学者朝河貫一の著書「THE RUSSO―JAPANESE CONFLICT(日露衝突)」を、同市の安積歴史博物館に寄贈した。英国・ロンドンの出版社が出版し、日本でどれほど出回っているかどうか分かっていないことから、貴重な書物として注目を集めそうだ。

 同会が寄贈した著書は初版本で全て英文。1904(明治37)年に出版された。日露が戦争状態にある中、交戦国の一方の利益のみの立場から論じたものではなく、それぞれの国にとって、よりよい結果を研究者の視点から論じた。

 朝河は日露戦争後の1909(同42)年、海外進出を志向する母国を憂い「日本の禍機(かき)」を出版、「一時の国利と100年の国害」を見定めるべきと主張した。100年後の視点で現実に対処し、価値判断、行動することの大切さを訴えた。同博物館によると「(日露衝突と日本の禍機の)両方を読むことで、朝河の思想をたどることができる」としている。著書は、同窓生から古書店を通して、安積桑野会が譲り受けた。

 贈呈式は同日、同校で行われ、安孫子健一会長が、同博物館の山口勇代表理事に著書を手渡した。安孫子会長は「多くの人々に見てもらいたい」と話した。久保田範夫校長が立ち会った。

 著書は同博物館で観覧できるが、事前申し込みが必要。問い合わせは同博物館(電話024・938・0778)へ。