【福島】広がる詩人の『脳内世界』 福島県立図書館に「長田弘文庫」

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「長田弘文庫」の内部で幅広い分野を網羅した書籍類に目を輝かせる見学者=県立図書館

 福島市出身の詩人、エッセイストの故長田弘さんの8000冊を超える全蔵書を収めた「長田弘文庫」が5日、同市の県立図書館に設けられた。古典からポップカルチャーまで幅広い知の領域で思索を深めた長田さんらしく、蔵書の分野は多岐にわたり、長田さんの文学的業績のみならず、現代思想をたどる研究資料としての活用が期待される。

 同図書館によると文庫に収蔵されたのは、長田さんの遺志で遺族から同図書館に寄贈された全蔵書8396冊(和書6794冊、洋書1602冊)と、長田さんの著作123冊(和書120冊、洋書3冊)の計8519冊。文学が約70%を占め、歴史・地理・伝記約9%、芸術と哲学・宗教がともに約8%など。

 大部分は書庫内に保管されるが、一部は同図書館2階・公開図書室に新設されたコーナーに、長田さんの人となりを紹介する資料や著作とともに展示された。展示する蔵書は今後、期間を置いて入れ替える予定。蔵書は館内閲覧のみ。

 同日は同図書館で、書庫内に設けられた「長田弘文庫」の見学会と記念事業が行われた。書庫を見学した伊達市の農業池田彰さん(65)は「40年以上の長田さんのファン。その書庫に入るのは脳内を探検しているようで興味深かった。展示もセンスが良い」と話していた。

 長田さんは1939(昭和14)年、福島市生まれ。福島高から早稲田大に進学。65年、詩集「われら新鮮な旅人」でデビュー。18冊の詩集を発表したほか評論、エッセー、翻訳などで活躍。2015年5月死去。