第24回みんゆう県民大賞決まる

 
5月20日、本社で表彰式
芸術文化賞
演奏活動 長谷川ファミリー(福島)
スポーツ賞
東洋大陸上部・監督 酒井 俊幸さん(石川出身)
ふるさと賞
みろく沢炭鉱・資料館長 渡辺 為雄さん(いわき)

渡辺 為雄さん 酒井 俊幸さん 長谷川ファミリー
来訪者があると、館内の資料や炭鉱の歴史について説明する渡辺さん 箱根駅伝で東洋大を3度総合優勝に導いた酒井さん 県内外で800回以上の演奏会を開くなどきめ細かく活動する長谷川ファミリー

 県民の栄誉となる功績のあった個人・団体を顕彰する福島民友新聞社主催の「第24回みんゆう県民大賞」の受賞者が決まった。芸術文化賞は親子で20年以上前から演奏活動を続け、県内外できめ細かなコンサート活動に取り組む福島市の長谷川ファミリー、スポーツ賞は東洋大を東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)で3度の総合優勝に導いた同大陸上競技部監督の酒井俊幸さん(37)=石川町出身、ふるさと賞は地域発展に貢献した常磐炭田の歴史を後世に伝えるため「みろく沢炭鉱資料館」を開設し、館長を務めるいわき市の渡辺為雄さん(88)が受賞した。
 表彰式は、福島民友新聞の創刊記念日の5月20日、福島市の福島民友新聞社で行われる。受賞者には、正賞の盾と副賞として50万円がそれぞれ贈られる。
 芸術文化賞の長谷川ファミリーは、ハープ奏者で声楽家の長谷川朝子(ともこ)さん(59)とバイオリン奏者の長女千鶴さん(31)、チェロ奏者の長男弘樹さん(27)の親子3人が県内の学校などで演奏会活動を続けている。演奏会は「人々の心を演奏で温かくできたら」との思いから「ほのぼのコンサート」と名付けられた。これまで800回以上を県内外で開くなど、生演奏を聴く機会の少ない地方の子どもたちに音楽の素晴らしさを伝えている。
 スポーツ賞の酒井さんは学法石川高を卒業後、東洋大、コニカミノルタに進んで選手として活躍。コニカ時代には全日本実業団対抗駅伝3連覇に貢献した。2005(平成17)年に同社を退社後、学法石川高陸上部監督を経て09年に同大陸上部監督に就任。箱根駅伝では10、12、14年に3度の総合優勝を果たした。選手の育成力も評価され、新「山の神」の柏原竜二選手=富士通、いわき総合高卒=ら世界の舞台を目指すトップランナーを育てている。
 ふるさと賞の渡辺さんは38歳まで炭鉱労働者として働いた。閉山後、いわき市内郷白水町の自宅で養鶏業を営む傍ら、炭鉱で使った道具や炭鉱に関する貴重な資料、写真を収集し、自宅の玄関先に展示した。1989年11月には養鶏場を改装し、個人でみろく沢炭鉱資料館を開設。館長として県内外から訪れる来場者に炭鉱の歴史を伝えている。炭鉱で使われた用具などは06年に同市有形民俗文化財、07年には国の近代化産業遺産に指定された。
(5月6日付福島民友新聞掲載)