第31回みんゆう県民大賞 受賞者・団体のコメント

 

 第31回みんゆう県民大賞に選ばれた芸術文化賞の音楽グループGReeeeN、スポーツ賞のバドミントン混合ダブルスの東野有紗さん(24)と渡辺勇大さん(23)、ふるさと創生賞の作家柳美里さん(52)、福島医大教授坪倉正治さん(39)の各分野での活躍、功績は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けて歩む県民を励まし、困難に立ち向かう勇気を与えた。

 各方面から推薦のあった個人・団体を対象とした選定委員会が福島市の福島民友新聞社で開かれた。GReeeeNはNHK朝ドラ「エール」の主題歌「星影のエール」をヒットさせ、作曲家古関裕而に対する特に若い世代からの注目度を高めたことなどが評価された。東野さんと渡辺さんは、富岡町で被災後、避難先でペアを結成し世界に飛躍したこれまでの歩みが「復興五輪」にふさわしい代表選手だとたたえる意見があった。

 柳さんについては、全米図書賞の受賞などを通じて震災と原発事故の被災地に海外を意識させる活動をしていることを評価する声が上がった。坪倉さんに対しては、県民の放射線不安に向き合い、これまで一貫してその解消に努めてきたことなどを称賛する意見があった。

 選定委員会では鈴木正晃副知事を座長に、三浦浩喜福島大学長、菅野孝志JA福島五連会長、渡辺博美県商工会議所連合会長、小林清美県婦人団体連合会長、安斎睦男県社会福祉協議会副会長、助川浩一県教育庁参事、中川俊哉福島民友新聞社社長が審査した。

 みんゆう県民大賞は1989(平成元)年度に創設された。毎年1個人・団体を表彰し、福島民友新聞創刊110周年を迎えた2004年度の第16回から「芸術文化」「スポーツ」「ふるさと」の3部門が設けられた。16年度の第26回に、ふるさと賞が地域の特性を生かした活性化の取り組みをたたえる「ふるさと創生賞」に刷新された。昨年は新型コロナウイルス感染拡大で審査会や表彰式開催が難しくなったことから実施を見送った。

◆芸術文化賞 GReeeeN(音楽グループ)

 「福島で結成」に誇り

 大変名誉なことでありがたい。僕たちにとって福島は故郷で温かな人々や自然豊かな風土に囲まれる福島で結成できたことは誇り。福島で過ごす皆さま、訪れた方に愛され続ける場所であってほしいと願い、その思いを届け続けていきたい。

◆スポーツ賞

東野有紗 東野有紗さん(バドミントン混合ダブルス)

 応援や支えのおかげ

 福島の皆さんの応援や支えのおかげで、大好きなバドミントンを続けることができている。恩返しする立場でありながら、このような賞を頂けてとてもうれしく光栄。これからも感謝の気持ちをバドミントンで届けていきたい。

渡辺勇大 渡辺勇大さん(バドミントン混合ダブルス)

 感謝を結果で恩返し

 県民の皆さまに勇気と笑顔を届けようとバドミントンを続けてきた。このような賞を頂けて大変光栄。コロナ禍で開催される試合は少なくなっているが、変わらず声援を送ってくれる方々に感謝を伝えるため、結果で恩返しをしていく。

◆ふるさと創生賞

柳美里 柳美里さん(作家)

 触れ合い 作品に表現

 東日本大震災の後、多くの人と触れ合い、見たり聞いたりしたことを作品に表現した。全米図書賞を受賞した時のように、県民大賞も地元の人あっての受賞だと思う。今後も南相馬市小高区に住む一人の住民として、地域の人と歩みを共にしたい。

坪倉正治 坪倉正治さん(福島医大教授)

 県民の健康へ尽くす

 震災後10年間、うまくいかないことがあっても今まで仕事を続けることができたのは、県民の皆さんが支えてくれたおかげ。受賞は大変ありがたい。これからも、震災で影響を受けた浜通りの方々などの健康につながる活動を続けていきたい。