民友マンガ大賞に宮城の鈴木美咲さん 部門テーマ「在宅ワーク」

 
マンガ大賞に選ばれた鈴木さんの「見える所だけが本当ではない」

 福島民友新聞社主催の第38回民友マンガ大賞の入賞作が決まりました。マンガ大賞に専門学校デジタルアーツ仙台2年の鈴木美咲さん(19)=宮城県利府町=の「見える所だけが本当ではない」が選ばれました。表彰式は来年1月24日に福島市の福島民友新聞社で行われる予定です。

 マンガ大賞は日本漫画家協会東北ブロックの後援。今年のテーマはマンガ部門が「在宅ワーク」、絵手紙部門が「おいしい福島」。似顔絵部門は有名人・著名人を対象に募集しました。


マンガ大賞】(大トロフィー、賞金10万円)
「見える所だけが本当ではない」鈴木美咲(19)=宮城県利府町
マンガ部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「在宅も上司きびしく"カツ"入れる!」渡部義勝(72)=郡山市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「誘惑に負けて、ついガッツポーズ」木野田博彦(63)=さいたま市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「ばあちゃん長生きしてね」有我秀雄(67)=須賀川市
【絵手紙部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「ラーメン大好き」三浦豊(76)=福島市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「あったか福島」長堀正枝(66)=福島市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「トゲでコロナも撃退」木瀬君(76)=川俣町
【似顔絵部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「瀬戸内寂聴さん」加藤教昭(56)=いわき市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「藤井聡太さん」赤沼良晃(56)=三春町
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「渋野日向子さん」安永和義(69)=東京都清瀬市
(敬称略)

 県内外のアマチュア漫画家や愛好者が発想力や表現力を競う第38回民友マンガ大賞には、新型コロナウイルス禍でこれまでとは大きく変容した社会の特徴を捉えた作品や、人柄までをも表現したユーモラスな似顔絵など多彩な作品が寄せられた。

3部門に210点応募 入賞作品3日に掲載

 「在宅ワーク」をテーマとしたマンガ部門に38人58点、「おいしい福島」をテーマとした絵手紙部門に83人101点、有名人・著名人を対象に募った似顔絵部門に28人51点の応募があった。

 画家で日本漫画家協会員の和田恵秀さんを審査委員長に、福島民友新聞で4こま漫画「ももちゃん」を連載している漫画家のおだれいこさん、日本漫画家協会東北ブロック長の一ノ瀬善正さん、小野広司福島民友新聞社取締役編集局長が審査に当たった。

 和田さんは総評で、「今回はどんな作品が集まるかと楽しみに審査会に臨むと、毎回『やられた!』と刺激を受ける名作があり、そこに迷作も入り交ざり審査委員を悩ませる。今回は感心する名作が多々あり、うれしい限りでした」とした。

 入賞作品は来年1月3日付の紙面に掲載される。


 
在宅ワーク「あるある」表現 夢はイラストレーター 
大賞受賞の鈴木美咲(すずきみさき)さん(19)

 「作品で何かの賞を取った経験がないので実感が湧かないが、うれしいです」。はにかんだ表情で喜びを口にした。

 描いたのは、在宅ワーク中の男性。ネクタイを締めて真面目な顔でいるが、オンライン相手から見えていない下半身はパンツ一丁という、コミカルだがコロナ禍の社会ではいかにもありそうな一場面を描いた。「SNS(会員制交流サイト)で見た動画をヒントにした」。似顔絵の授業で、学生がそれぞれ応募作品を描いたという。

 小学生の頃から絵を描くのが好きで、女の子のキャラクターや、悪魔をモチーフにしたファンタジー世界のキャラクターを創作してツイッターに投稿するなどしてきた。昨年4月、親を説得した上で専門学校に入学した。マスク姿のクラスメートの顔もまだ十分把握しきれないまま、卒業が来春に迫る。ゲームキャラクターをデザインするイラストレーターを目指し、就職活動の真っ最中だ。スマートフォン向けゲーム「グランブルーファンタジー」のキャラクターデザインを務める皆葉英夫さんに憧れている。

 「今回の受賞は、親も喜んでくれたので良かった」。作品が高く評価された経験を糧にして、夢実現に向け努力を重ねる考えだ。

 すずき・みさき 宮城県白石市出身。利府高(宮城)を卒業し、昨年4月に専門学校デジタルアーツ仙台(同)に入学した。

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写真=お気に入りのキャラクターのカードを手に、受賞を喜ぶ鈴木さん