【MEET THE 仏像】(1)モデル・タレント はなさん

 

「お気に入りを見つけて、たくさんのパワーを感じ取っていただきたい」 

 8月18日まで会津若松市の県立博物館で開かれている福島復興祈念展「興福寺と会津~徳一がつないだ西と東」で、展覧会の音声ガイドを務めるモデルでタレントのはなさんは愛好家歴30年に及ぶ熱心な仏像好きだ。

 「好きな仏像を4回は見る」というはなさんは「何度もお会いすることで仏像と仲良くなり、心が通うような気持ちになる。仏像との距離を縮めて、パワーを感じ取ってほしい」と話す。

◆4回会い仲良くなる

―仏像が好きになったきっかけは何ですか。

 「大学で仏教美術と東洋美術を学び、仏像を通して各国の文化を比較する授業を受講しました。アフガニスタンの仏像がスライドに映し出された時、今まで日本で見てきた仏像とは違った姿をされていることに大きな衝撃を受けました。一般的な螺髪(らはつ)ではなく、ウエーブがかかった髪形や西洋風の顔立ちを美しいと感じ、仏像の授業を受けるのが楽しくなりました」

―奈良・興福寺の仏像はどのように映りましたか。

 「興福寺は仏像の勉強を始めた初期に訪れて以来、何度もお参りをさせていただいています。特に阿修羅(あしゅら)像に引かれます。5月にも阿修羅像と東大寺の広目天像の二つに絞って訪ねました。仏像でありながら、人間らしい表情をしている二つの像を比較したいという思いからです」

―仏像を鑑賞する際に心掛けていることは。

 「私は個人的にかっこいい顔の仏像に心が引かれますね。まずはお顔を拝見します。人と同じようにお顔を見ながら、仏像にごあいさつします。それから好きな角度を探して、にやにやしつつ、双眼鏡を使ってじっくりと見入っています。双眼鏡は必需品ですね」

―仏像の展覧会の楽しみ方をお聞かせください。

 「初めてお会いする仏像が多い展覧会では、じっくりと一体一体を見ていき、その中で『これだ』と、ぴんとくる仏様がいらっしゃると思います。それを確信したら、会場を出る前の最後にまた会いに行きます。その後、その仏像に会いに4回は足を運びます。本当にいろいろな表情や体形の仏像があります。パワーがみなぎる姿に感動したり、発するオーラを体感したりしていただきたいですね」

―4回見る理由は。

 「子どもの頃、父に1泊2日の温泉旅行へ連れていってもらい、お風呂に4回入るよう教えられたんです。仏像の勉強を続ける中で、仏像と仲良くなるには4回は足を運ぶ必要があるのではないかと思うようになりました。同じ仏像に4回再会すると心が通うような気持ちになります。見え方も変わり、自分と仏像との距離がすごく縮まったようにも感じます」

―「福島復興祈念展」とした本展を通して、県民に何を感じてほしいですか。

 「仏像の魅力は、人が仏像を守り、その人が仏像に守られているという関係が長く続いていること。だからこそ、現代も歴史的な仏像や経文、絵を目にすることができるんだなと思います。東京で開かれた展覧会で東北の仏像にお会いした時、祈りが強く込められていると感じました。それは実物を実際に見て感じられるもの、会場の空気に流れているものです。今回の展覧会ではさまざまな縁があって奈良の仏様が会津の地にいらっしゃる。ぜひ会津の人、福島の人たちに何度も会場へ足を運んでもらいたい。自分のお気に入りの仏像を見つけて、たくさんのパワーを感じ取っていただきたいですね」

 はな 横浜市出身。上智大比較文化学部卒。17歳でモデル活動を始め、テレビやラジオDJ、ナレーション、エッセーの執筆などで幅広く活躍。「はな、茶の湯に出会う」など著書も多数。2017(平成29)年、「国宝応援プロジェクト」の国宝応援大使に就いた。

「興福寺と会津~徳一がつないだ西と東」ホームページへ