「新選組展」若松で開幕 土方歳三の愛刀、福島県内初公開

 
土方歳三の愛刀「和泉守兼定」に見入る来場者=23日、会津若松市・県立博物館

 幕末の動乱を生きた新選組の実像に迫る「新選組展2022―史料から辿(たど)る足跡」は23日、会津若松市の県立博物館で開幕した。近藤勇の書簡など新選組の活動の目的が書き記された史料、県内初公開となる土方歳三の愛刀などが並び、多くのファンが歴史ロマンに浸っている。

 激動の幕末、会津藩の配下として京都の治安維持に当たった新選組は、刀を振るうイメージが広く浸透する。一方、近年の研究では農村を守るために攘夷(じょうい)を果たそうと活動した「政治集団」という姿も明らかになっている。

 展覧会では、その研究の起点となった近藤の書簡「志大略相認書(こころざしたいりゃくあいしたためがき)」(個人蔵)など、新選組の実像に迫る数々の史料が並ぶ。また、県内初公開となる土方の愛刀「和泉守兼定いずみのかみかねさだ)」(土方歳三資料館蔵)も関心を集めている。

 会期は9月19日(月曜日休館、9月19日の祝日は開館)まで。観覧時間は午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)。観覧料は一般・大学生が1300円、高校生800円、中学生以下無料。

 同展は県立博物館、福島民友新聞社、福島中央テレビでつくる実行委と読売新聞社の主催。初日は開幕式が行われ、関係者がテープカットした。

 会津に宿る隊士の魂

 会津若松市の県立博物館で23日に開幕した「新選組展2022」は、開幕直後から長い列ができ、新選組ファンの熱気に包まれた。

 会場一番乗りは同市の中学生、伊藤史菜さん(14)。お目当ては土方歳三の愛刀「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」で、観覧を終えると「会津の刀工が京都で作った刀を、会津で見ることができて良かった。写真で見る刀と異なり、地鉄(じがね)がはっきり見えてすごくきれいだった」とうれしそうに語った。

 宮城県角田市の会社員井上由樹さん(28)は、「とし君」の呼びかけで始まる土方宛ての書簡を見て「『鬼の副長』と呼ばれた土方の意外な一面を感じた」と話した。

 神奈川県茅ケ崎市から家族と来場した小学生の井川颯真君(10)は、隊士の中で一番好きな土方の鎖かたびらなどを見て「実際に身に着けていたものを見ることができて良かった」と目を輝かせた。

 開幕式にも出席した、多摩・日野宿(現東京都日野市)の幕末の名主、佐藤彦五郎(土方歳三の姉ノブの夫)の子孫の佐藤福子さん(65)は「隊士やゆかりの人々の子孫が協力し、展示内容が大変充実している。会津で新選組展を開催できたことも大変意義深いものがある」と語った。

 会場では新型コロナウイルス対策で、密を回避するため会場内の観覧者数の上限数を設けている。

 土方資料館の館長「活動語り継いで」

 開幕式では主催者を代表して鈴木晶県立博物館長や井出孝利副知事、室井照平会津若松市長、土方歳三資料館の土方愛館長らがあいさつした。土方館長は「多くの方に幕末に懸命に活動した新選組を知ってもらい、語り継いでくれることを願っています」と呼びかけた。

 中川俊哉福島民友新聞社社長、五阿弥宏安福島中央テレビ社長、広中正則読売新聞東京本社福島支局長、新選組展2022アンバサダーの大林素子さんら関係者がテープカットし、開幕を祝った。