本県と山形県をまたぐ西大巓(にしだいてん・1982メートル)の中腹、標高約1400メートルに位置するデコ平。紅葉が始まったと聞き、早速秋の彩りを探して散策した。
デコ平の入り口までは、グランデコリゾートのゴンドラを利用すると便利。約15分の空中散歩では、紅葉が山頂からふもとに向かって徐々に下りてきている様子が見られる。裏磐梯の雄大な姿や、雪の重みで幹が360度回転したブナの木などを見ながら遊歩道をしばらく歩くと、デコ平湿原が姿を現す。鮮やかに色づいたウルシやカエデ、草紅葉の美しいコントラストに目を奪われた。
色づき始めたブナの原生林を眺めながら歩を進めると、「百貫清水」に到着。「百貫の価値にも替えられない」とたたえられる清水を口にすると、澄んだ味わいが体に染みわたった。元気になったところで、さらに布滝まで足を延ばすことにした。ダケカンバやミズナラの大木に感動しながら下っていくと、約50メートルの落差がある布滝が見えてくる。幾筋もの水の流れが岩の間を流れ落ちる様子に、心身ともにリラックス。
ブナやカラマツなどの本格的な紅葉はこれから。燃えるような錦秋の時期は多くの人が訪れる。観光客に裏磐梯の自然を紹介する施設・裏磐梯ビジターセンターの自然解説員金野志帆さん(26)は「木道から外れたりしないようルールを守り、見どころの多いデコ平の自然を楽しんで」と話した。
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