会津の歴史と自然が凝縮された背あぶり山は、キャンプ場やフィールドアスレチックが整備され、市民にとって身近な場所。日本人初の北米農業移民団として会津から米カリフォルニア州に渡った「おけい」の墓や、豊臣秀吉が茶会を催した関白平などがある。
会津若松市の東山温泉から湊町につながる県道東山温泉線を車で移動し、背あぶり山のレストハウスから歩き始める。スタートするとすぐに遊歩道に入る。たくさんの落ち葉を踏みしめながらキャンプ場近くを抜けると間もなく山頂付近の展望台跡地に到着する。正面は猪苗代湖、後ろは会津盆地の雄大な景色が広がる。会津を360度見渡せる絶景ポイント。
登る前に話を聞いた、美しい背あぶりの森をつくる会の事務局長栗城和夫さん(59)は「展望台付近は磐梯山や猪苗代湖が見えるとても美しい場所」と目を輝かせて推奨していた。
背あぶり山の魅力は、さらにここから。展望台跡地を後にし、南東に進むと間もなく遊歩道の分岐点に差し掛かる。北東に抜ける遊歩道を進むと緩やかな下り坂が続く。約1時間ほどの周回コースで、今は色づいたカラマツやイチョウ、ナナカマドなどを堪能することができる。
残念ながら背あぶり山のレストハウスは11月末に閉鎖、県道も冬期間は通れない。残りわずかだが、さまざまな野鳥が観察できる野鳥探勝路や夫婦杉が有名な岩杉山遊歩道など、足を運ぶたびに新しい発見がある背あぶり山をさらに楽しみたい。
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