古殿町の南部、いわき市とのほぼ境に位置する。標高８４２メートルは同町で最も高いが、山の姿はなだらかで、ハイカー初心者でも気軽に楽しむことができる。
　登山口までは県道いわき石川線（通称・御斉所街道）から県道三株下市萱小川線へ入り、登っていく。登山口まで車で行く人がほとんどで、道はアスファルト整備されているほか、途中には新しい案内看板も設置され分かりやすい。
　山懐をぐるりと回り、南側に登山口がある。春から秋にかけては頂上まで２０分程度だが、雪の季節ならばその倍はみた方がいい。山頂周辺は、地元有志で組織する三株山頂に登る会が下草刈りなどを行っている。
　頂上に着くと、展望台「富士見台」がある。そこからは秋、冬の空気の澄んだ日であれば、はるか遠くに富士山を見ることができる。三株山から富士山までの距離は約２４８キロ。特に空気が澄んだ早朝や夕方など条件は限られるが、目にした人は多く、写真撮影に成功するケースもある。太平洋なども望むことができ、山頂に登る会の初代会長を務めた佐川治部左衛門さん（７４）は「頂から大パノラマが楽しめる。地元にとっては誇りの山」と胸を張る。
　キャンプ場（有料）には炊飯場やトイレも設置されており、家族でバーベキューなどが楽しめるほか、山のふもとでは春から夏にかけて三株牧野組合によるわらび園（同）が開園しており、自然を満喫できる。