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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 3 】 カタクリ
林を手入れし群生地化

日差しが降り注ぐ明るい林床を薄紫色に染め上げるカタクリ。地元の愛好家が1年を通して林の手入れを続けている=三春町山田地区

 日光の差し込む林床を薄紫色に染め上げる愛らしい花−。三春町山田の「かたくりの里」は、約1ヘクタールの斜面にカタクリが一面に咲き誇る。しかし、8年ほど前までは荒れた雑木林だった。
 地元住民3人が林の中に咲くカタクリが見やすいようにとササを刈り払うようになった。徐々に協力者が増え、今ではカタクリ愛好会(影山晋会長)として会員約30人を数える。
 会員は1年を通して下草刈りと間伐作業に汗を流す。林の中が明るくなるとともにカタクリも見る見る増えていったという。今では木材チップを敷き詰めた散策路も整備され、毎年、花見会が開かれている。
 かつて山田地区は葉タバコ栽培が盛んで、雑木林の落ち葉は苗床を作るためになくてはならないものだった。住民は子どものころから親の落ち葉かきを手伝い、まきにする枝拾いも行っていた。現在、同地区の葉タバコ栽培農家は数軒が残るのみ。雑木林は利用されなくなった。

 地域の宝後世に残す

 早春に葉を伸ばし花を咲かせるカタクリ。広葉樹が葉をつけ林の中が薄暗くなる5月には地面の上の部分はすべて溶けるようになくなってしまう。1年のほんの数週間、この花をめでるためだけに会員たちは林の手入れを続けている。この群生地を地域の宝として、後世に残すために。
(写真と文・矢内靖史)
   カタクリ 
  ユリ科の多年草。種子はアリに運ばれ生育地を広げる。
 ▼問い合わせ=カタクリ愛好会(電話0247・62・5469)
 
 

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