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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 6 】 キビタキ
若葉を追い高地へ移動

キビタキ

新緑の森に渡ってきたキビタキ。黒に黄色という鮮やかな色彩も木漏れ日にまぎれて保護色になる=福島市吾妻山ろく

 新緑の森で、鳥たちのさえずりが聞こえる季節を迎えている。高山の山すそが柔らかな緑色に覆われるころ、キビタキは若葉を追い掛けるかのように高地へと移動していく。
 「キビタキの姿が見られるのは、たった1週間なんだよ」。福島市小鳥の森のレンジャー・高橋清さん(74)は毎年、山桜の開花に合わせてキビタキの姿を追う。雄同士の縄張り争いが盛んなころだけ、人の存在を忘れて姿を見せるという。「なんで県鳥に指定されたのか分からなかった。あんなに見えにくい鳥なのに」と笑う。ふくしま国体のマスコット「キビタン」のモデルとして有名になったが、実際に見たことがある人は少ないだろう。

 食べるのは生き餌のみ

 高橋さんは子どものころからの鳥好き。「鳥を飼ったり、魚捕りしか遊びがなかった」。今では法律で禁じられているが、当時、さまざまな野鳥を飼育したという。「キビタキは飼育が難しい」と高橋さん。キビタキは生き餌しか食べない。キビタキのひなを捕ろうとして年上の子どもに「やめとけ、殺すだけだ」と怒られたことがあったと振り返る。
 「鳥や魚の生態、道具作り、何でも近所の先輩に教わった」。今では決してまねのできない経験が、野鳥を守る立場になった高橋さんの現在を支えている。
(写真と文・矢内靖史)
   キビタキ 
  ヒタキ科ヒタキ亜科。大きさはスズメ程度。日本では夏鳥として山地の落葉広葉樹で繁殖する。東南アジアで越冬する。
 
 

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