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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 14 】 カブトムシ
人間と共に歴史を歩む

カブトムシ

コナラの樹液を独占するカブトムシ。昆虫の王者の雰囲気を漂わせる=福島市郊外

 かつて、夏の雑木林は子どもたちの王国だった。朝早く自転車に乗って虫捕りに出掛ける。目当てはもちろんカブトムシやクワガタだ。秘密のポイントに近づくと甘酸っぱい樹液の香りがしてくる。心臓の高鳴りを抑えながらササをかき分け、のぞき込む。「いた!」。そんな感動の瞬間を、今でも忘れられない「昭和の少年」も多いだろう。
 「カブトムシは、縄文時代には少なかったと思います」と福島昆虫ファウナ調査グループの代表、斎藤修司さん(48)=福島市。畑の肥料として落ち葉で堆肥(たいひ)を作り利用した結果、幼虫が餌とするカブトムシが急激に増えた。人間と共に歴史を歩んできた昆虫なのだ。

 虫捕りできぬ子どもたち 

 斎藤さんは4年前まで小学校の教員を務めていた。当時、教え子にカブトムシがいる場所が分からないと言われ、あきれたことがあった。「学校から歩いていける場所で見つけてあげたら驚いていました」「大人も悪いんです。虫捕りは遊びなんだから自由にさせればいい。そうすれば工夫もするし、知恵もつく」
 斎藤さんは小学生の時、早く6年生になりたかったという。「秘密のポイントに行くと、先に上級生がいて、持っていた虫まで取り上げられたりしました」。そんな体験も今では懐かしいと“昭和の少年”が笑った。
(写真と文・矢内靖史)
   カブトムシ 
  コガネムシ科。かつては北海道には生息しなかったが、飼育個体の放虫で全国に分布する。
 
 

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