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かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
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【 19 】 木の枝クラフト
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親子で楽しく間伐材工作
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間伐材を利用し作られた「木の枝クラフト」の作品。もりの案内人の指導で親子が工作に熱中する=大玉村・フォレストパークあだたら
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大玉村の「フォレストパークあだたら」は、夏休みの家族連れらでにぎやかな季節を迎えている。天候に恵まれなくても、さまざまなプログラムが用意され楽しめる。ビジターセンター前でテントの中でのこぎりをひく音が響いていた。輪切りにされた木の枝が組み合わされ、表情豊かな生き物の姿に変わっていく。
「子どもより親が夢中になります」と笑うのは、県もりの案内人の会森林館部会部長の氏家武さん(67)=川俣町。木の枝クラフトを作り始める際、まず指導するのはのこぎりやナイフの使い方。「今は、危ないからという理由で使わせないというお父さんお母さんが多いです」。親自身がこれらを扱った経験がないこともあるという。
現代は疑似体験ばかり
氏家さんは、現代の子どもたちは、疑似体験ばかりと嘆く。「ナイフは道具。人を傷つけるものではありません。時にはけがをしないと、痛みが分からないのではないでしょうか」
木の枝クラフトの材料になる樹木には条件がある。細工がしやすく、木肌や木目が美しいアオダモ、ウワミズザクラ、エゴノキなどが適しているという。時間をかけて完全に乾燥させてから使用する。枝はすべて間伐材。エコな材料が、森の豊かさと体験の大切さを教えてくれる。
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(写真と文・矢内靖史)
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【 木の枝クラフト 】
今月30日まで。1日2回、午前10時からと午後1時30分から。問い合わせはフォレストパークあだたら。電話0243・48・2040
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民友携帯サイト
右のコードを読み取り、表示されたURLでアクセスできます。
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