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かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
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【 25
】 オオスズメバチ
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秋の活動活発化に注意
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地中に作られた巣へ、虫をかみ砕いて作った肉団子を運び込むオオスズメバチ=福島市小鳥の森
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「ブーン、ブーン」。不気味な羽音を立て巣穴を出入りするオオスズメバチ。口には肉団子にされた虫をくわえている。秋にかけて巣が大きくなり、働きバチは活発に活動する。野山には毒ヘビやクマなど、危険な生物は多いが、毎年、スズメバチに刺されて亡くなる人は、それらの数倍に上り、国内で最も危険な生物ともいえる。
スズメバチといっても種類はさまざま。中でもオオスズメバチは、大きさはもちろん、攻撃性も毒の強さも最大だ。巣は主に地中に作られるため知らずに近づき、その震動が巣に伝わりハチを刺激した際に刺されることが最も多いとされる。今月、県内各地でも草刈り作業や林の清掃作業中にスズメバチに刺され、ハチ毒によるショックで亡くなったり、意識不明に陥るなどしている。
刺された時の処置大切
福島市小鳥の森のレンジャー高橋清さん(75)も今月、巣の駆除の際にオオスズメバチに刺された一人。意外にも毎年、1、2度は刺されているという。高橋さんは刺された際の応急処置が大切と説く。「刺されたらすぐに毒液を絞り出す。血が出るぐらい」。しかし、ショック死が多いことからも、まずは近づかないこと、不注意で近づきハチが飛び始めたら、その場を離れることが一番と念を押した。
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(写真と文・矢内靖史)
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【 オオスズメバチ 】
体長25〜45ミリ。女王バチを中心に社会生活を送る。刺激しないためには黒っぽい服装を避け、香水などを付けないこと。
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