しょうゆ

 

 「食卓の手仕事12ヵ月」の締めくくり。自家製しょうゆができたら手仕事『上級者』を名乗っても良いのでは?材料はシンプルですが、なんと言っても完成までに1年以上かかること、家庭では量産するのが難しいという点で今回の難易度は★10個!作り方を知るという意味でご覧ください。

 【難易度】★★★★★★★★★★

 ◆用意するもの(目安量:床のみ)
麹-こうじ-(ゆで大豆と炒った小麦半々に、麹菌をまぶしたもの).........1.3キログラム
.........400グラム
・水.........1650ミリリットル
保存容器(煮沸やアルコールなどで消毒したもの)

 ◆作り方

(1)消毒済みの保存容器に水・塩を入れてかき混ぜ、塩が完全に溶けたら麹を入れてさらによく混ぜる。※攪拌(かくはん)することを、櫂(かい)入れと呼ぶ。容器は直射日光の当たらない常温で保管すること。
(2)最初の櫂入れから1週間くらいは1日1回櫂入れし、その後は1週間に1~2回ほどの櫂入れを1年~1年半続けることで「もろみ」となる。
(3)もろみの色が濃くなりドロドロになったら搾ることが可能。ボールなどにサラシ布をかけ、その上にもろみをあけたらサラシで包んで重しをして少しずつ搾る。出てきた汁を消毒した瓶などに詰めれば「生しょうゆ」の完成。
(4)生しょうゆよりも保存期間を延ばすには、80度の湯せんに10分ほどかける「火入れ」の工程が必要。ただし、どちらにしても冷蔵保存、おいしい内に使い切ることが条件。

 ◆ポイント

・作り方1:麹をしっかり塩水になじませると腐敗を防ぐ作用がある。
・作り方2:あまり空気に触れさせると発酵を阻害するので混ぜすぎにも注意が必要。
・作り方3:時間に余裕がある場合は、圧力をかけずに一晩じっくりと自然落下するのを待つと雑味が少ない仕上がりになる。
・搾らず「もろみしょうゆ」として使うことも可能。

 Profile【 本田悠さん 】
 環(まる)-自然と伝統の日々ごはん-主宰。福島市出身・在住。野菜が大好きで、自然栽培野菜を扱うレストランや助産院などでの調理スタッフを経て、会津の朝倉玲子氏のアシスタントとしてイタリアの家庭料理を学ぶ。現在、料理教室や料理イベントを中心に活動中。「おいしく楽しく"お達者に"」食から考える自然と健康がテーマ。

2020年3月号・Me&You「食卓の手仕事12ヶ月」より