「裏には蔵人たちの努力」 酒場詩人・吉田類さん

 

 県産日本酒の魅力を国内外にPRする「ふくしまの酒マイスター」を務め、酒場詩人として知られる吉田類氏(68)は「福島がやっぱり6連覇をとったか。史上初の功績を成し遂げ、本当におめでとう。昨夜も飲んだけど、今夜も福島の日本酒で祝杯をあげたい」と大いに喜んだ。同時に「6連覇の裏には蔵人たちのものすごい努力がある」と酒蔵の苦労をたたえた。

 吉田氏はテレビ番組「吉田類の酒場放浪記」などで人気を集める。県内の日本酒関連のイベントにも積極的に参加し本県の酒造りに詳しい。偉業達成について「蔵人の経験によることも多いが、各蔵が科学的に分析しデータをとって、うまい酒を造っている」とみる。加えて「各酒蔵が協力・団結し、まとまって取り組んでいる。これが他ではなかなかできない」と評価した。

 6連覇の効果について「福島の酒はうまいと信用が生まれ、安心して飲むことができる。これは業界にとってとても喜ばしいこと」とし、県民にとっても「『我が古里の酒』として愛し、誇りに持てる」とうらやんだ。

 本県の日本酒の地位は全国から追われる立場になる。「うれしい悲鳴かも知れないが」と前置きし「福島の酒蔵にはトップのプレッシャーも出てくる」と推察した。「福島の日本酒にはこれからも記録更新を目指してほしい」と強い期待を込めた。

 テレビ番組では、酒を片手に、味のある酒場や店主、料理の魅力を語り、幅広い年代のファンがいる吉田さん。本県の酒場への訪問を尋ねると「ぜひ福島の酒場を訪ね、6連覇を達成したおいしい日本酒を味わいたい」と"放浪"を約束してくれた。