『全国のコメ』で日本酒造る 命名「絆舞」、会津坂下で仕込み

 
プロジェクトの成功へ意気込む関係者

 全国の194信用金庫が協力して47都道府県で生産されたコメを使って日本酒を造る「地域連携プロジェクト」の日本酒の仕込み作業が26日、会津坂下町の曙酒造で行われた。日本酒の名前も発表され、「絆舞(きずなまい)」に決まった。

 プロジェクトは城南信用金庫(東京都)など全国の信金でつくる実行委の主催で本県から会津、郡山、白河、須賀川、ひまわり、あぶくま、二本松、福島の8信金が参加している。復興支援の「興(お)こし酒」と銘打って昨年度に始まり、昨年度は福島、宮城、岩手の3県と熊本地震で被災した熊本県のコメを使い純米大吟醸酒「絆結(きゆ)」を製造。本年度は絆結と合わせて47都道府県のコメを使った絆舞も造る。

 絆舞は全国から届いた復興支援の「絆」と、飲むと「舞」を踊りたくなるほどおいしい日本酒になってほしいとの願いを込めた。「米」と読みが共通する「舞」を使うことで、全国から米が集まったことも表現した。曙酒造が醸造し、各地から寄せられたコシヒカリやゆめぴりかなどの玄米を都道府県数にちなんで47%の精米歩合で磨き、混ぜ合わせて純米大吟醸酒に仕込む。

 絆舞は500ミリリットル入りで約1万2000本、絆結は720ミリリットル入りで3000本造り、9月19、20の両日に東京都内の東京国際フォーラムで開かれる復興支援イベント「"よい仕事おこし"フェア」でお披露目、販売される。各信金を通じた予約制の販売も検討している。仕込み作業には全国27信金の理事長らが参加した。

 セレモニーで、東北地区信用金庫協会副会長の樋口郁雄福島信金理事長が「日本酒を日本全国の絆としたい」とあいさつした。杜氏(とうじ)を務める曙酒造の鈴木孝市専務があいさつしたほか、プロジェクトの成功を祈願して会津農林高の生徒が地元に伝わる早乙女踊りを披露した。2018ミス日本酒・準グランプリの堀井雅世さん(喜多方市生まれ)も参加した。