米・ニューヨークに福島県産酒「アンテナ店」 年内にも開設へ
県産日本酒の輸出拡大に向け県は年内にも、米国ニューヨーク市に県産酒を中心に取り扱うアンテナショップを開設する方針を固めた。内堀雅雄知事が30日午後(日本時間31日朝)にも発表する見通し。県産日本酒輸出量の5割が米国で、日本酒の消費量が最も多く発信力も高い都市部に販売拠点を構えることで、品質の高さと安全性をアピール、さらなる販路拡大を狙う。
本県の日本酒アンテナショップ開設は、国内外を通じて初めて。全国新酒鑑評会で金賞受賞銘柄数が6年連続日本一に輝いた快挙を追い風に、売り込みを強化する。開設は期間限定で、場所はニューヨーク市中心部のマンハッタンを検討。運営は現地の酒販会社に委託する予定。現在、酒販売に必要な免許の取得など調整に入っている。
国内では若者を中心に「日本酒離れ」が進む中、近年の和食ブームで海外では日本酒の需要が高まっており、全国的に輸出が拡大傾向にある。こうした状況を背景に日本酒の先進県の多くは将来的な需要の拡大が期待されるアジア圏で積極的な輸出に取り組むが、大震災、原発事故以降、本県は主力輸出先だった香港や台湾への輸出が回復しておらず、伸びしろのある欧米を今年4月に策定した県産品輸出戦略で「重要な輸出先」と位置付けた。
県によると、県産清酒の2016(平成28)年度の輸出量は約16万リットル、輸出額は約2億1700万円。このうち、米国は約7万7000リットル、約1億900万円で最多。日本酒の評価が高まる米国で県内蔵元数社が積極的な輸出に取り組む一方、比較的小規模の蔵元は単独で輸出を目指すにはハードルが高く、県はニューヨークの店舗を活用した試験的な輸出支援も検討している。
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