「世界一に恥じぬ酒を」 奥の松酒造、従業員ら『新たな戦略』
インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)日本酒部門で世界一の称号「チャンピオン・サケ」を手にした奥の松酒造(二本松市)。従業員らは受賞の喜びを分かち合い、受賞に恥じぬようおいしい日本酒を造り続ける決意を新たにした。
奥の松酒造の杜氏(とうじ)の殿川慶一さん(68)は同酒造本社でチャンピオン・サケを受賞した日本酒を手に世界一の称号の喜びをかみしめた。「チャンピオン・サケの評価が高く、受賞蔵の売り上げ増にもつながっている」と殿川さん。受賞酒が人気商品になることを思い描きながら、新たな戦略を練っている。
県内の各蔵元や県清酒アカデミー職業能力開発校で酒造りを指導する鈴木賢二県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター醸造・食品科長(56)は「価格が比較的安価な吟醸酒からチャンピオン・サケに選ばれたことが非常に意義深く、日本酒の消費拡大に弾みが付くと期待できる。県産酒のレベルの高さを示す結果で、素晴らしい快挙だ」と喜んだ。県酒造組合の有賀義裕会長(64)=白河市、有賀醸造代表社員=は「県全体が風評払拭(ふっしょく)に努める中、造り手に勇気を与える」とたたえた。
純米酒の部に出品した「純米酒 月弓」がチャンピオン・サケ候補になっていた会津若松市の名倉山酒造の松本善六社長(60)は「今回、ロンドンにまで行けたことは大きな喜びだが、半面、世界はそんなに甘くないと痛感させられた。この経験を次に生かし、いい酒造りにまい進したい」と決意を新たにした。
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