福島県産「吟醸酒」4年連続出荷量増 6年連続日本一が後押し

県産吟醸酒の2018(平成30)年11月末時点の出荷量(課税移出数量)は前年比5.9%増となり、通年として4年連続で前年を上回る見通しとなったことが、県のまとめで分かった。県産日本酒の購入が増える年末を含めると、さらに増加することが確実な状況。県は消費者の高級志向が背景にあるとみて、年明けから県産日本酒のPR戦略を強化し、さらなる販路拡大を狙う。
県がデータをまとめ始めた14年以降、吟醸酒の出荷量は年々増加している。純米酒も前年比2.2%増(11月末時点)と堅調に推移し、吟醸酒とともに県産酒の販売をけん引。県は、全国新酒鑑評会で6年連続金賞受賞銘柄数日本一に輝いた実績も販売増を下支えしていると分析している。
全体の出荷量を構成比で見ると、単価の安い一般酒などは年々下降する一方、単価の高い吟醸酒と純米酒は年々上昇し、17年は全体の45.3%を占めた。今年も本醸造酒や一般酒は前年比減となる見通しで、県は消費者が吟醸酒や純米酒を好む傾向について、量ではなく、より質の高い日本酒を求めるようになったことが背景にあるとみている。
吟醸酒や純米酒の需要増は、県産日本酒を取り扱う県内の小売店でも顕著に表れている。昨年12月に新装開店した福島市の県観光物産館の県産日本酒の売り上げは前年比188%(12月16日時点)となり、全体の売り上げの3割を占めた。同館によると、純米吟醸酒や大吟醸酒、純米大吟醸酒が売れ筋という。桜田武館長(49)は「6年連続日本一を達成した福島の酒は観光客の呼び水となっている。今後も伸びてくるだろう」と手応えを示す。
県産日本酒の好調な売れ行きを踏まえ、県はさらなる販売増や7年連続金賞受賞銘柄数日本一を目指した戦略強化に乗り出す。1月からは、テレビ番組や動画、新聞を使い県産日本酒の魅力を発信、販路拡大を後押しする考え。
県は「県産酒を多くの人に味わってもらい、各蔵元が築き上げてきた金賞のたすきをつないでいきたい」(県産品振興戦略課)としている。
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